キャット・ラブ


 あなたってまるで、猫みたいなのね。

 気まぐれな彼氏が、久しぶりにやって来た。あたしの知らない香りをつけて、素知らぬ顔をして。
 ジェラシーなんてものじゃない。愛しすぎて、憎らしい。
 拗ねていると、彼がふわりとあたしを抱きかかえた。そのままベッドに運ばれて、優しく横たえられる。
 「久しぶりに、抱いてもいい?」
 そう聞かれ、あたしは泣き出しそうになる。
 「やだ…………!あなたなんて、大嫌い…………!」
 絞り出すように言うと、彼があたしの髪を撫でた。
 「本当は、欲しいんだよね?」
 微笑んだ彼が、そっとあたしに口づける。どうにかしてほしい、このまとわりつく匂い。
 「ん………………」
 唇を押し付けると、舌が入り込んできた。あたしの舌を絡めるように、優しく激しく。
 「んはっ……………!」
 唇を離すと、彼が服の上から胸を掴んだ。
 「脱がせていい?」
 聞いているそばから、服をはいでゆく。
 「ダ、メっ…………」
 抵抗することもできず、ハダカにされてしまった。
 「可愛いね、ココ…………」
 そう言って、あたしの乳首を撫でる。
 「んあっ……………!」
 感じてしまって、仕方ない。乳首は彼の指先で遊ばれ、どんどん硬くなってゆく。
 「感じてるんだね…………」
 ふと囁くと、彼があたしの乳首を舐めた。
 「はんっ……………」
 猫が舐めるように、妖しく濡れてゆく。あたしはカラダを反らし、舌の動きに応えた。
 「猫みたいに、鳴いて…………」
 彼はお腹の辺りへ舌を這わし、そう言う。
 「にゃっ……………」
 あたしは羞恥心を捨てて、心を猫にした。
 「もっと……………」
 彼があたしの、下腹部を撫でる。
 「にゃっ………にゃあ……………」
 すごく、キモチイイ。
 「そう、いい子だね…………」
 股を割りカオをうずめると、彼は舌先であたしの陰部をなぞった。最初は優しく、次第に激しく。
 「にゃっ…………にゃっ…………」
 あたしは波打つように、カラダを震わせる。
 「可愛い…………」
 グチュ――――――…
 しなやかな指が、あたしのヴァギナをとらえた。
 「にゃあああっ………!」
 音をわざと立てるように、なかがかき乱される。
 「にゃんっ…………にゃ、あああっ…………」
 猫のように、喘ぐ。
 「なかに、残してあげるからね……………」
 彼は嬉しそうに微笑むと、カラダをずらした。
 ズプッ―――――…
 あたしのなかに、彼の性器が挿入される。大きくなっていたソレは、半ば強引にねじ込まれた。
 「にゃんんんんっ………………!」
 痛みに叫ぶ。
 「大丈夫、すぐによくなるから…………」
 彼は腰を振った。
 「にゃっ…………にゃっ……………」
 腰の揺れに合わせて、濡れた声が漏れる。あたしは淫らに口を開き、彼の背中に爪を立てた。
 「そう、いい子…………もっと鳴いて…………」
 呪文のように響く、彼の言葉。あたしは暗示にかけられたように、喘ぎ乱れる。
 「にゃっ、にゃあっ…………!にゃっ、にゃっ、にゃああああっ……………」
 あ、ダメ、イキそう。
 強く彼にしがみつくと、よりいっそう激しく腰が振られた。
 「にゃあああああんっ……………!」
 そしてオーガズムを得る。
 ビクンとうねったカラダを鎮める間もなく、再び彼に攻められた。
 「にゃあん…………」
 うっとりと指をくわえ、快感の波に身を委ねる。
 「可愛い…………」
 彼は胸の谷間にカオをうずめると、何度も囁いた。
 大好き。本当に、憎らしいくらい。

 あなたに尻尾が付いていたら―――――…
 あたしきっと、離さないわ。あなたは嫌がるだろうけど。
 そしてあたしに尻尾がついていたら、愛の言葉の代わりに、尻尾を振るの。

 あたしたちは猫じゃないけど……………、
 猫のように気まぐれに、愛を分かち合いましょう。
 そっと口づけ交わすと、あなたの匂いが舞い戻った。




   a Mew………

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