青い部屋で情事を


 青色の部屋で、夢を見ていた。
 愛しい人が、あと5分でやってくる。この場所は、わたしたちしか知らない。
 互いに恋人がいながら、惹かれ合ってしまった。逢瀬を重ねるわたしたちに、罪の意識は降り積もる。
 しかし募る罪悪感は、愛情を更に燃え上がらせた。許されぬ愛と知りながら、時間が許す限り抱き合った。
 いつも別れ際には、「さよなら」を口にするのが怖くて――――――。

 「ぁあッ………!」
 わたしたちは裸になり、折り重なっていた。彼はわたしの首筋に、唇を当てている。
 「っん、あ………」
 首筋を唇が滑り、わたしは身震いをした。そのまま唇は、わたしの胸の小さな突起に触れる。
 「ゃあッ………!」
 嫌だなんて思っていないのに、勝手に声が零れた。
 彼は突起を優しく口に含むと、舌で転がした。そしてもう片方の突起を、指で摘んで引っ張る。
 「あうッ……」
 快感が押し寄せ、わたしは呻いた。刺激が胸に集中して、身を捩りたくなる。
 彼はそのまま、わたしの胸を弄んだ。硬くなった中心が、濡れて充血してくる。交互に舌で転がされ、意識は朦朧としていた。
 彼はゆっくりと胸元から口を離すと、わたしにキスをした。そして、耳元で囁く。
 「オレのも、シて……」
 わたしは彼の中に潜り込むと、硬く勃ったその部分を口にくわえた。
 「あッ………」
 彼が艶めかしい声を上げる。わたしはゆっくりと、口で扱き始めた。
 「あぁッ……、あ………」
 彼が喘ぐ。
 わたしは激しく吸い上げた。熱いモノが、口のなかへ流し込まれる。
 「っあぁ………!」
 わたしのなかへ、射精された。顔に放たれ、少し汚れたが気にしない。
 「はあっ……、はあっ……!」
 彼が荒い息をしていた。汗ばんだカラダで、わたしを抱き寄せる。
 「次、イカせてあげる……」
 甘い声で囁かれ―――、

 わたしはベッドに、押し倒された。股を割り、ソコに顔をうずめられる。
 「ひゃあッ………!」
 舌が触れ、わたしは仰け反った。
 彼はわざと大きな音を立てて、濡れた秘肉に舌を這わせる。とろりとした液体が、彼の顔さえも濡らしていった。
 「んあッ……!挿れてッ…………!」
 わたしは泣きながら、叫んだ。このまま弄ばれるより、早くイッてしまいたい―――――
 それしか考えられなくなり、ねだるような声で懇願した。その姿は彼の目に、どれほど淫乱に映ったことか。
 「じゃあ、イクよ………」
 彼が囁いて、わたしの腰を掴んだ。そして――――、
 「あぁぁぁぁぁあっ………!」
 わたしのなかに、硬いモノが挿入された。膣は広がり、痛みと快感が同時に押し寄せる。
 「んあぁっ…、はっあぁッ………!」
 わたしは叫び、彼にしがみついた。奥深くを突くように、ちからを込めて腰が振られる。
 だんだんと痛みは消え、快感の波だけがゆらゆらと打ちつけた。わたしは指をくわえ、うっとりと喘ぐ。
 「あぁっん……、あぁ、やッ、あ………」
 彼は腰を激しく振り、わたしもその動きに合わせた。ベッドがギシギシと軋み、何もかもが乱れてゆく。
 「っあ……………!」
 わたしのなかに、刺激の渦が巻き起こった。それは股の間から、全身に駆け抜ける。
 「あぁぁぁぁぁぁッ………!」
 ビクビクと震え上がり、わたしは達した。
 彼はわたしを抱きしめると、優しいキスをしたのだった。

 「別れたから」
 情事のあと、彼はポツリと言った。わたしたちは横になり、軽く抱き合っていた。
 「え…………?」
 いきなりのことで、わたしは戸惑う。
 「彼女とは、別れた。君を愛している」
 はっきりとそう言う。
 わたしの目からは、大粒の涙があふれた。
 「実は、わたしも………」
 わたしも昨日、それまで付き合っていた男性に別れを告げてきた。彼に受け入れてもらえなくても、構わないと思っていた。
 「そっか………」
 彼が優しく微笑んで、わたしの涙を拭う。

 青色の部屋で、一緒の夢を見られる幸せが――――、
 ずっとそばにあるのだと、わたしは安堵の涙を流した。
 目覚めても、終わらない、共に生きていける永久の夢を。
 これからはずっと、一緒に見ていける。その幸せがそばにあれば、強くなれる気がした。




  with you Forever…

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