快楽行きの電車


 満員電車に乗っていたら、痴漢に遭った。
 最初わたしは、尻に手が当たっているだけだと思っていた。
 しかし、その手はだんだんと、臀部全体を撫でてくる。声を上げようとしたが、恐怖でどうしたらいいのかわからなかった。
 尻を撫でていた手は、スカートをまくり上げてきた。パンツのなかへと、忍び込んでくる。
 ゆっくりと秘肉を触られ、わたしは震えた。悔しいことに、そこはすでに濡れている。指でなかをかき乱され、ヌルヌルとした感触が伝わってきた。
 (やだっ………、やめてっ…………)
 叫びたいが、声が出てこない。
 (あっ……あっ………、いやっ…………)
 指は奥深くを突き、カラダがせり上がりそうだ。
 (んっ………だめぇっ…………)
 わたしは口を開け、荒く息を吐いた。誰かに気づいてほしいが、この淫らな姿を見られたくはない。
 (あっ…………!)
 下腹部を弄られたまま、胸元に触れられた。ブラジャーの上から、激しく揉まれる。
 突然、胸を揉んでいた手が、上着をめくり上げた。
 (えっ…………?)
 ゆっくりと、ブラジャーを外される。
 (やっ……いやぁっ…………!)
 露わになった胸が、揉みしだかれる。乳首を摘まれ、わたしは激震した。
 (あうぅっ……やっ、あぁぁっ…………!)
 熱くなる乳房は、完全に玩具のようだ。乳首はこねくり回され、感じずにはいられない。
 (ああああっ……やめてぇっ………)
 今までに味わったことのない屈辱から、わたしは涙を流した。しかしこんな状況なのに、カラダは快感を得ている。
 (んくっ…………どうしてっ…………)
 わたしは押しつぶされそうになりながら、声を押し殺し喘いだ。
 ふと、腰の辺りに硬いモノが触れた。それは―――――、
 勃起した、男の性器だった。それを、わたしの腰になすりつけてくる。
 (やだっっ…………!)
 男は相当感じているようで、びんびんに勃っていた。そしてわたしの乳首も、赤く勃ち上がる。
 (っんんんっ………はっ、あああああっ……!)
 男は攻めることを止めない。
 わたしは口の端から、唾液が漏れていることに気づいた。何てふしだらな、表情(カオ)をしていたのだろう。
 (んっ………ふっ、あ………)
 恥ずかしいが、気持ちよくて仕方なかった。このまま、挿れてほしい。
 (だめっ………そんなっ……………)
 下腹部から刺激が伝わり、わたしは達しそうになる。
 (くうっ……………!)
 びくんとうねり、わたしは達した。
 気づくと男の手は、どこかに消えていた。


 困ったことに、今わたしは半裸に近い状態で満員電車に乗っている。
 服をちゃんと着たいのだが、身動きがとれない。
 (どうしよう………)
 途方に暮れているわたしの胸に、何かが触れた。
 (うそ………………)
 それは、誰かの指だった。ゆっくりと、乳房を揉まれてゆく。
 (やあっ…………)
 これから家に帰りつくまでに、どれだけの者に弄ばれればいいのか――――。
 高揚するわたしは今、淫らに濡れる玩具となる。
 ほら。今もわたしの乳首は、硬く勃ち誰かの愛撫を求めている。




  To the last station…

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