優しく激しく愛撫して


 「あっ……ああ…………あ、あっ……………」
 彼があたしを愛撫する。
 それは、のぼりつめるまで。

 秋の寒い日。
 久しぶりに会った彼は、少し痩せていた。もとから細い人だったから、心配になる。
 でも彼はおかまいなしに、家へ行こうと言った。
 あたしはただ黙って、彼に付いて歩いた。

 彼の家に着いて部屋に入ると、いきなり後ろから抱きしめられた。すごく、甘い匂いがする。
 ゆっくりと服が脱がされ、下着だけになる。
 下着のままベッドにうつ伏せになり、そのうえに彼が重なった。
 「愛してる…………」
 そう囁き、肩にキスをしてくる。
 「あっ………………」
 肩にキスをしたまま、下着のうえから胸を揉まれた。
 「あっ……………ん…………」
 下着をかき分け、手が忍び込んでくる。彼はその長い指で、あたしの乳首を撫でた。
 「あっ…………あ、ああっ……………」
 あたしはカラダを反らせ、吐息のような声を漏らす。
 「んっ…………はっ…………あ……あ…………」
 彼の愛撫に、耐えきれなくなった。
 「あっ…………ああっ!」
 ビクン――――――…
 手の動きだけで、達してしまう。
 「早いね…………でも、まだまだだよ……………」
 彼が耳にもキスをした。
 「ん……………」
 あたしのパンツの中に、手が入り込んでくる。
 グチュ―――――…
 濡れた音がした。
 「全部、あずけて…………」
 フッと彼が、耳に吐息を吹きかけた。
 「あぁん……………」
 あたしは、それだけで感じてしまう。
 「可愛いね…………」
 彼はまた囁くと、あたしの秘所まで愛撫した。
 グチュグチュッ――――…
 音は部屋に響く。
 「ああっ…………あ………ああ…………」
 愛撫は、激しさを増してゆく。
 彼は下腹部を愛撫したまま、胸を押し上げるように揉んだ。
 「あっ…………はぁっ……………はっ……………あぁん……………」
 あたしは喘ぎ続ける。
 「イッて………………」
 彼が囁き、手の動きを早めた。
 「んっ……………ん………あ……………」
 あたしはカラダを震わす。
 「あっん……………ああっ………………!」
 ドクン――――――…
 更なる激動を感じ、あたしは達した。
 「はっ…………はぁっ………………」
 荒く息をする。
 彼はあたしから離れると、キッチンへと歩いていった。

 キュッ―――――…
 水道の蛇口の音。
 キッチンへ行くと、彼は水を飲んでいた。
 「どうしたの?」
 無言のあたしに、彼は尋ねる。
 あたしはブラもパンツも脱ぎ捨て、真っ裸になった。
 「お願い……………もう一度、抱いて…………」
 そう言うあたしを見て、彼が真剣なカオになる。
 ゆっくり近づいてくると、あたしを抱きしめキスをした。
 クチュッ―――――…
 舌さえも、絡ませて。
 キスをしたまま、あたしはテーブルに股を開いて座る。
 彼はチャックを下ろすと、硬くなったペニスをあたしに挿入した。
 「んっ……………!」
 唇と下半身が重なる。
 「んっ……………んんっ……………」
 ジュッグヂュ――――…
 恥ずかしいほどいやらしい音がして、あたしたちは交わる。
 「んんんっ…………!」
 悶えるあたしに、彼が口を離し言った。
 「締め付けすぎ…………ちから抜いて…………」
 「だっ、て…………あっ……………!」
 彼は容赦なくあたしを攻めた。
 攻められるほど、淫らな夜に堕ちてゆく。濡れたあたしは彼にしがみつき、快楽を貪った。

 セックスのあと。
 「ん………………」
 ベッドに横たわり、あたしたちは優しいキスをする。
 「あ……………………」
 彼が、あたしの乳房を愛撫した。

 再び愛を、交わしましょう。
 あたしはゆっくりと、彼の背中に指を這わせたのだった。




   Caress…………

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