椅子の上の快楽


 今わたしは、椅子に脚を縛り付けられている。
 わたしの彼氏は、座ってヤるのが好きだ。ベッドとは違う興奮が、味わえるらしい。
 だからハダカになって、脚を開いて、椅子に縄で固定されている。セックスの最中は縄が食い込むけれど、それもまた、彼を悦ばせるのだった。

 「っん………………」
 わたしは呻いた。
 彼はわたしの上に脚を開いて座り、挿入しているところだった。ガタガタと椅子が揺れ、わたしは攻められる。
 「ぁあっ………!いっ…………痛っ…………!」
 縄が食い込むのと奥深くを突かれるのとで、痛くて仕方ない。
 「大丈夫…………気持ちよくなるから…………」
 はぁはぁと吐息を漏らしながら、彼が優しく言った。
 「そんなっ…………!ゃああぁっ…………!」
 グッとちからを込められて、わたしは叫ぶ。彼の大きなソレが、先端の位置を変えたりしていく。
 「あああっ…………ダメっ……………イヤぁああっ…………!」
 わたしの目からは、涙がこぼれた。
 キュッ―――――…
 しかし、泣き喚くわたしにはお構いなしに、彼が乳首を摘んでくる。下半身は痛くて仕方ないが、乳首はすごくキモチイイ。
 「んっ…………あっ…………あん…………」
 わたしは口をだらしなく開き、喘いだ。乳首から伝わる快感が、やがて共鳴して、下半身を快くしてゆく。
 「んっ…………んっ…………イイ…………」
 わたしは動かせるだけ、腰を動かした。
 「そう…………いい子だね……………」
 呪文のように、彼が囁く。
 「あんっ…………やだっ…………イッちゃう………………」
 わたしはオーガズムを得ようとしていた。カラダがガクガクと震え、波打つ。
 「まだ……………もうちょっと……………」
 そう言う彼が、わたしの胸を揉みしだいた。椅子の脚が折れそうなほど、わたしたちは震える。
 「あっ…………!もうっ、ダメっ…………!」
 ドクン――――――…
 全身を快感が走り抜けた。
 「ああああぁ……………」
 カラダを突き上げ、わたしは達する。
 「…………っあ……………」
 ジュボ―――――…
 そして彼も、わたしのなかで射精した。
 トロトロになった下腹部から、彼の性器が抜かれる。
 はぁはぁ―――――…
 ふたりとも、肩で息をしていた。
 「じゃあ、次イこうか?」
 彼は囁くと、わたしの口に猿轡をしたのだ。
 「んんっ……………」
 ゆっくりと彼の舌が、わたしの胸を這う。
 ツ―――――――…
 艶めかしい舌の動き。
 「んっ……………ん……………」
 わたしはウットリした。乳首を捕らえられる瞬間、ピクンとカラダがうねる。
 そのまま彼は舌を這わせ、わたしの下腹部まで舐め回した。
 「んんっ………………!」
 舌先が、わたしのクリトリスを刺激する。彼は舌を伸ばし、とても上手に濡らしてゆく。
 ピチャピチャ――――…
 いやらしい音を立て、わたしは下半身を弄ばれた。
 「んっ…………んんんっ………………!」
 開いた股の間に、彼はカオをうずめる。
 縛られたわたしは、椅子に座ったまま、淫らな夜に堕ちていった。

 何度かの絶頂のあと。
 縄を解かれ、わたしは解放された。脚には生々しい痕が、くっきりと残る。
 「ごめんね……………」
 そう囁くと、床に這いつくばり、彼はその痕を舐めた。

 激しい夜のお供に、あなたも椅子はいかが?もちろん、縛りつけなければ意味はないけど。

 この痛みに、耐えられるなら――――――…
 甘く貪るのも悪くない。そう思う。
 でも、やっぱり危険だから、決して真似はしないで。
 まぁ、世の中にはそんなセックス、いくらでもあるのだろうけど。




   Danger………

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