※※第363話:Make Love(&Sex aid).54
誰にも気づかれないよう無我夢中で堪えて、夕月とのショッピングも(主に薔が)楽しんで、帰宅となった。
帰宅までの辛抱の時間は、やはり誰にも悟られないよう懸命に抑えきったとして、割愛させていただきます。
荷物は夕月も一緒に運んでくれて、「おかげで助かった」と意味深な礼を述べた夕月は日本を発つべく帰路に就いた。
おそらくご機嫌だった様子で、お揃いのパジャマやらタンブラーやらいつの間にか新婚夫婦にプレゼントする以上のカップルグッズまで買ってくれてあった。
こうなってくると、修学旅行は関係なくただ単に一緒に買い物をしたかっただけでは?とも思えてくる。
そして、ずっと堪えていたナナにとっては待ちに待った時間がやって来た。
「薔っ……早く……」
もじもじしながら彼女は彼の服を引っ張る。
「何を?」
素知らぬ振りで夕月が買ってくれた品々を見ていた薔はわざと聞き返した。
聞き返さなくてもわかっているはずなのに、彼女の淫らさを確認したくて意地悪を仕掛けた。
「玩具……我慢しましたよっ……?」
彼の服を引っ張ったままソファに座ったナナは、バイブの振動を感じつつ少し脚を開いた。
スカートを捲って、すっかりいやらしくなったソコを見せつけてしまいたいが、肝心なことが言えていないのでスカートは掴む程度に留めた。
「うん、そうだな?……偉かったな……」
彼女を見て、ふっと微笑んだ薔はあたまをよしよしする。
褒めてもらえるのは嬉しいけれど、これも立派な焦らしになっている。
「偉かったって…っ、思うなら…っ、……挿れてください…っ!」
頬を火照らせて、あたまが気持ちよくなったナナはばか正直に懇願した。
おまけに彼にぎゅっと抱きつき、甘えた声で打ち明けてしまった。
「もう…っ、ここっ……びちょびちょなんです…っ、恥ずかしくて…っ、」
自分から密やかに乱されるお出掛けを冀っておきながら、我が儘だとも思ったし強欲だとも思った。
でも、自分では止められなかった。
「薔だけに……見られたいんですっ……」
たくさんの人がいる中で、ずっと彼だけに伝えたいことだった。
見られたい、というのは、視姦をされたいといった意味ではなく、もっと深い意味を示している。
独占されて奥までめちゃくちゃにされてしまいたい。
「……帰って来た途端にこれか、」
抱き返して背中を撫でた薔は溜め息をついた。
溜め息だけでもぞくぞくした彼女は嬌声を上げる。
「ナナがどれだけ懸命に我慢してたのか、よくわかった……挿れてやるよ、」
彼は呆れているのではなく、感心していた。
ふたりきりになるまでは彼女はほんとうに上手いこと、平常を装っているように見せかけていた。
しかも、ふたりきりになるやいなやこんなにも淫らに求めるほど、渇望を持て余していたのだから。
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