※※第363話:Make Love(&Sex aid).54
















 羚亜は愕然として、およそレオタードではないレオタードを眺めていた。
 胸元は透け透けになっているしギリギリを通り越して確実にはみ出そうだし、兎の尻尾らしきものまでついている。
 レオタードもどき自体も白いので、一見したところは白兎のようなのに一緒に用意されているニーソは黒のラメ入りだった。
 色の統一感こそないものの、エロの統一感ならぞんぶんにある。



 「13時まで待ちきれなくて、可愛くしてみちゃった……」
 愛羅は愛嬌たっぷりの微笑みで、はにかんだ。
 13時まで待たせたことにより、ここまで熱心に改変できるくらいの欲望が有り余っていたのなら、一秒も待たせなければ良かったと羚亜は後悔した。
 このままバイトが終わらないでいて欲しいと願いながら、願い通りに21時までアルバイトをしようものなら、レオタードはどのようになっていたのか見当もつかない。
 要するに、いっそのこと休めば良かったと後悔していた。


 「ちょっ……と、愛羅さん……これ、……俺が着るの?」
 「羚亜くんが着るから可愛くしたんだよ?」
 果てない戸惑いを隠しきれない羚亜は逃げ出したい衝動に駆られ、そんな彼の肩を嬉しそうに両手で愛羅は掴んだ。
 愛嬌たっぷりに見せていても、心持ちはエロ親父全開である。

 「早く着て欲しいなあ……」
 「着るって言っても、心許なさすぎて……」
 「男の子ならつべこべ言わずに着ようよ!」
 「わああ!わかったから、わかったからそんなっ……無理矢理脱がさないで……!」
 甘えた声で愛羅はおねだりをして、未だ戸惑っていた羚亜は無理矢理脱がされかけた。
 男の子ならつべこべ言わずに着ようと諭されているが、およそ男の子が着るものではない。

 「羚亜くんたら、しっかり反応しちゃって……」
 「………………。」
 愛羅は彼の股間をうっとりと見つめた。
 否定できない羚亜は真っ赤になり、もしかして自分はマゾなのではないかと(あまりにも今さら)心配になってくる。

 「これじゃ全然隠しきれないね?」
 反応しているおかげで、端から隠しきれそうにないソコを愛羅はまじまじと見つめた。
 「どうせ、こうなるだろうと思ってたよ……」
 羚亜は観念したのかマゾの気質からか、大人しく着替え始める。
 全裸のほうがまだましだと思えるほど、レオタードは羞恥的な代物だった。


 ここにこんな創作性を活かせるのなら別の何かに発揮できはしないものかと、ふと考えたりもした。

[ 181/202 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]



戻る