※※第359話:Make Love(&Acme).218















 ナナはこけしちゃんにお願いをして、修学旅行とはどういったイベントなのかを具体的に、ボーイズラブ小説で説明してもらうことにした。
 説明の方向性としてはだいぶ違っているものの、それについてはいっさい指摘することなくこけしちゃんは執筆を快諾してくれた。

 ただし、要先生には今は抵抗が強すぎるため、修学旅行を共にする先生キャラにはナイスガイ鎧を抜擢させた。
 こけしちゃん的には相当な萌え設定となるが、本気で禁忌なのでそろそろ控えたほうがいいカップリングではある。
 でも萌えには抗えないし第一にまだ誰も真実を知らないので致し方ないということにしておこう。


 ナナは、本当に修学旅行中にはエッチができないのかの確認をしたかっただけのはずが、確実にエッチをする設定でいつもの小説は描かれるだろう。
 普通に口頭で説明してもらえば良かったものを、こけしちゃんが乗り気だったおかげで、わざわざ彼氏を受けに差し出してまでボーイズラブ小説で説明してもらおうと試みてしまった。
 そのうちうっかり口を滑らせてお仕置きされればいいと思う。






 「いいなあ、あたしも羚亜くんと修学旅行に行きた〜い!」
 およそ一年早く修学旅行を済ませてしまった愛羅は、悔しがっていた。
 彼女と修学旅行に行ったものなら何をされるかわかったものじゃない羚亜は内心、ホッとしているのを内緒にしている。
 「俺も愛羅さんと一緒に修学旅行に行きたかったけど、こればっかりはどうしようもないよね……」
 本音を隠して、残念がって見せた。

 「修学旅行中だったら、あたし絶対に羚亜くんに手ぇ出せないから、ただのラブラブデートになりそうなのにね〜。」
 「えっ?絶対に?絶対に手を出さないの?」
 そんな彼の本音を悟ってか、愛羅は健全な愚痴をこぼした。
 絶対に手を出されないただのラブラブデートだったら、ものすごく名残惜しくて羚亜は戸惑う。

 この物語では、いつも襲う側がなぜか修学旅行だけは完全なる健全なイベントにしたがる。


 「当たり前じゃん、先生たちの見張りがあるんだから下手なことはできないよ。」
 「えええ!?そんな当たり前のことが厳守されるの!?要さんだけが見張ってるときは自由奔放なのに!」
 上目遣いに彼を見た愛羅はわざとちょっと拗ねた様子で、先生が束になるとやはり神聖なのだなと羚亜は感心した。
 醐留権先生はわりと、周りが生徒だらけでも自分が最終的には自由奔放でいく傾向にある。

 だんだんと修学旅行の話題で、盛り上がってまいりました。

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