※※第43話:Make Love(&Love!).7
ちゃんと服を着て、リビングにおります、ナナは。
薔はキッチンですね。
さすがに、ディナーっぽい料理は、まだなにもできないナナさんですな。
そのとき、
〜♪〜♪
ナナの携帯が、着信を告げた。
「こけしちゃんだ!」
大はしゃぎで、通話ボタンを押す。
「こけしちゃーん!」
『ナナちゃぁん、』
なんだかこけしちゃんの後ろはざわついている。
「こけしちゃん、おめでとう!」
大感動再び、のナナ。
『ありがとぉぉ。先に帰っちゃって、ごめんねぇぇ。大丈夫だったぁぁ?』
「謝らないで!なにひとつも問題なかったから!」
それもそうだ。
『あのねぇぇ、ナナちゃぁん、ほんとは恋バナしたいんだけどぉ、あたしこれから、ゾーラ先生ぇとお母さんとぉ、お食事することになってるのぉぉ。』
「展開、はやっ!ほんとおめでとう!ごゆっくりしてきて!またご都合のよいときに、お電話してね!」
なんだかんだ言って、蓋を開けてみるとお早い展開とは言い難い。
『ありがとうぅ。じゃあぁ、行ってくるねぇぇ。』
「うん!またね!」
しかし、こけしちゃんがとても幸せそうなので、展開の速度はこの際気にしない!
あったかくなりすぎたこころで、電話の世界は互いの世界に戻った。
携帯を閉じたナナへと、
「ワン!」
花子が飛びつく。
「おおお!花子ちゃーん!」
邪魔されたうえ、ベッドにまで連れてっちゃったナナに向かって、花子は嬉しそうに尻尾を振っております。
「かわいすぎるよ!」
すりすり、
キッチンから丸見えの、日常的幸せ像。
そのとき、またまた、
ちょん、
花子が、テーブルの上のリモコンに、前脚を置いたのだ。
「花子ちゃん!お利口さんだね!こういうときは決まって、大切な番組がやってるんだよね!」
お決まりのパターンになりつつあるので、テンション上がっていたナナは、テレビをつけた。
(…………あれ?)
このとき放送されていたのは、ニュース番組だった。
「これかな?」
花子に確かめてみたが、彼女は食い入るように画面を見つめている。
「よし、見よう!」
とりあえず、ニュースに目やなんかを傾けた。
ちょうど、とある事件の報道だったが、これといって関連性はない。
ように思われた。
「え?でも、若い女の子が何人も、行方不明になっているの?」
ナナも見た目は若いので、ちょっとこころを傾けた。
「うーん、でもこの、中心になっている地名、なんだか見覚えが…」
とか呟いているナナは、あまり土地について詳しくはない。
それでも、見覚えがあるんです。
そのとき、部分的にモザイクはかかっていたが、つい最近行方不明になった16歳の少女が、最後に目撃された公園とやらが映し出された。
ナナは呟く。
「え?あの、大きな噴水、見覚えがある…」
『行方不明になった少女たちは皆、姿を消す前、謎の人物の名前を口にしていたようです。』
ニュースキャスターは、明かした。
『“ローズさま”に会いたい、と。』
…ローズさまって、だれだ?
まず、日本語にはあまり、訳さないほうが良い!
この場合は、ね!
生け贄計画、ついに、始動―――――――…
We don't get away!
It only fights!!
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