※※第39話:Make Love(&Gasp).5





 「あぁ……っ、」

 向き合って座っているので、互いの表情がいつもと違う雰囲気でよく見える。

 「はぁ――――――…」
 顔をうえに向けて、深い息を吐いたが、

 「動くか、」

 薔が後ろに右手をついて、左手でナナの腕を掴み、動きやすくなってからふたりは腰を動かし出した。



 「あっ……あ…っ…、あ、あぁ…っ!」
 髪を振り乱すほど、続けざまに動いて、ナナは甘い喘ぎ声をあげている。

 「…っあ、はあ…っ、」
 彼女の腕を掴んで、動きを助長している薔だったが、


 「あ…っ、」

 耐えきれないような声をあげて、ベッドに倒れ込んだ。




 「はあっ……、はあっ………」
 彼は倒れて、激しい息を続けている。


 気づくと、騎乗位になっていた。




 「あ――――――…」
 切なくうつくしく顔を歪ませ、身を捩っている薔を、ナナはうっとりと見つめている。


 ふと、

 ス――――…

 彼はうっすら、瞳を開けて、


 「おまえ、」


 問いかけました。



 「じつは、俺のエロい声、めちゃくちゃ好きだろ?」



 と。




 「え…?よく、おわかりに、」
 いつもによって、正直に答えるナナです。

 「かなり前から、気づいてたが、な、」
 流れるようにして彼女を見上げる薔は、妖しく微笑みかけた。


 そして、


 「どんなんが、聴きてーんだ?」


 波打つシーツのなか、とんでもなく色っぽく、薔は問いかけたのでした。




 「えっ……?」
 ナナは、火照って仕方ない。
 まさかリクエストできるとは、思ってもみなかった。


 「はやく、言えよ。」
 またがっているナナの両腕を、薔の手が撫で上がってゆく。

 「ここまできて、言わねーなら、お仕置きだからな。」
 頬に到達すると、彼はそう言いましたんで、

 「えええ!?」
 びっくりしちゃったナナですが、頬は赤いんで、実のところお仕置きでも構わないんですよね。



 でも、この機会なんでね、

 「あの…、女の人みたいな声と、エッチな息が、イイです……」

 ナナはまたしても、正直に述べちゃいました。






 「そのうち腐女子の仲間入りだな、おまえは。」
 「こけしちゃんと一緒なら、よかっ」

 グイッ

 喜びのナナだったが、すぐさま引き寄せられた。




 ほんとうに目の前にいる薔は、彼女の頬を挟み込んで、


 「おまえにしか、聴かせねーかんな。」


 笑った。




 「はいっ、」
 ナナはめちゃくちゃ高ぶったが、

 「動け。」

 この言葉により、再び動き出した。




 「ん…っ、あ……」

 動きによりナナが声を上げるまえに、始まったご様子です。



 「はぁ……ん…っ、」
 動きに合わせて、切なげな表情で薔は身を捩っておりますが、


 (どうしよう!?この状態で、このエッチさだったよ!)


 ナナは気絶しないように、耳を澄ませること必死ですね。



 「あ…っ、あ…ぁっ、」

 ベッドはギシギシと軋み、乱れたシーツのなか、薔は髪を乱して淫れてゆく。


 この光景に、ナナは疼いて感じまくるうえ、ときどき動きがスローになったり止まったりして、一気に締め付けもして、


 「はあぁ…ぁ……っん、」
 薔が激しくカラダを反らすので、激しく相乗効果となった。



 「はぁっ、は……あっ、だめ…、ぁあ…っ、」
 薔は喘ぎながら、艶っぽく汗を滲ませているので、ナナの頬にも自然と汗が伝う。


 「あっ…っ、はぁ…っ、は、ぁ…あっ、」

 喘ぎはつづき、夢中になるナナのあたまに薔は両手をまわしており、


 「ぁ…あぁ――――――…」


 声にならない声を、振り絞った。




 「あ……っ!!」

 ビクンッ―――…!

 その直後、ナナが達した。




 「ぁ…っ、あぁ………」

 カラダをふるわす彼女のかおをグイと引き寄せて、

 ちゅくっ


 くちびるから濃厚なキスを、薔が絡めてくる。


 「ん……っ、ん………」
 その間も、再び動きだした腰づかいが快感を突きつける。


 グッ――――…

 さらに深くへと入るよう、ナナは臀部を持たれた。

 「んん…っ!」

 そうやってくっつき合って、擦り合わせていると、胸元で起った乳首もエロティックに触れ合う。


 「ん…………」
 くちを何度も開け、音を立てて舌を絡め合う。

 それよりなにより、繋がった部分からの濡れた音に、感性を刺激されて止まない。


 ベッドは揺れ続ける。




 「ふうぅ……っ!」

 やがて、二度目の絶頂をナナが迎えた。


 「はあ…っ、」
 くちびるが離されたので、薔の胸元へと彼女はかおをうずめる。

 「はぁっ、はぁっ…、っあ…っ、」
 ナナのあたまを撫でながら、薔は動きを続ける。


 「ああ…っ、は…、あっ…っ、」
 ほどなくして彼は卑猥なほどに妖艶に、

 「だめだ、ナナっ…、イく………」

 カラダを反らせて、ビクンと快楽の激流に呑まれた。



 「ああっ……!」

 熱くナナの中に放たれ、流れ込む感覚が体内を突き抜ける。



 ギシ…

 ベッドはおおきく揺れて、重なるふたりの裸体を浮かべていった。

[ 440/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る