※※第39話:Make Love(&Gasp).5





 ふたりして濡れて、手を繋いで歩いているので、ただでさえ目立つとこ、さらに目立った。

 しかしふたりは、ふたりきりの世界にいたので、特になんてことなく歩いていったのでした。








 やがて、マンションへと、たどり着きましたね。


 パタン――――…

 玄関のドアが、後ろ手に閉められたとたん、


 ギュッ


 ナナは後ろから、薔に抱きしめられた。



 トサッ―――…

 彼女の鞄は、そっと上がり口におろされる。

 なんと、この日ちゃんとお出迎えをしていた花子は、そのバッグを咥えて、尻尾を振りながらリビングへと運んでいったのでした。



 (おおお!?花子ちゃん、なんというお利口さんなの!?)
 感心ひとしきりの、ナナですが、

 「はぁ……」

 やけに色っぽい吐息を、吹きかけると、

 チュ

 つよく抱きしめて、彼女の耳やら首すじやら肩やらに、薔はキスをし始めました。



 「ひゃ…っ、あの……、」
 かなりビクンとしてしまったナナの、腕や肩には、しなやかなゆびが滑らかに這う。

 やわらかなくちびるは、何度も肌に触れて、神経を刺激する。




 「はぁっ……、はぁっ………」
 すこしして、いったんキスを止めると、ナナの耳にくちびるで触れながら薔は淫れた息を吐いていた。

 「んん…っ、」
 疼いて仕方ないナナは腰が砕けて、ガクンとカラダを滑らす。


 グイッ―――…

 そんな彼女を持ち上げるようにして抱くと、

 「ナナ……」

 耳にくちびるで触れたまんま、薔は囁いた。


 「一緒に、シャワー、浴びねーか?」




 「は、はい……、」
 火照りまくっているナナは、やっぱり了承しちゃいましたね。

 「なら、行くか。」
 「はい…、」

 ということて、ふたりは、手を繋いでバスルームへと向かったのでした。











 脱衣場、にて。

 「脱がし合い、するか?」
 薔のこの誘いにより、
 「あ、はい、」
 ふたりは、脱がし合いっこだか、することになった。


 ファサ――…

 けっこう乾いてはいたが、ナナのTシャツが脱がされる。

 ブラだけになったので、ホックを外す間に、ナナは薔のシャツのボタンへと、手を掛ける。

 ひとつボタンが外れたあたりで、すでにホックは外されていて、腕にブラが下ろされたので乳房がこぼれ出る。

 その間もナナは、うえから薔のシャツのボタンを外してゆく。


 「はぁ………、はぁ…………、」
 ふたりして向かい合って、熱い息も触れている。


 パサ――――…

 シャツのボタンは、すべて外された。


 それを脱がすまえに、

 ツ――――…

 ゆっくりと、ナナのブラが下ろされてゆく。

 ゆびさきを通り抜けたそれは、Tシャツのうえに落とされた。


 つぎに、ナナは薔の肩に両手を掛け、おもむろに剥いでゆき、


 パサッ

 シャツも、床に舞い落ちました。


 カチャ―――…

 そして、ベルトへと、手を掛けて、外し終えて、

 ジ――――…

 ジッパーも、下ろされる音が、エロティックを奏で合って、


 バサッ


 ふたりして、一糸纏わぬ姿に、なっちゃいました。



 「ほら、」

 んでもって、薔に促されて、

 パタン――――…

 ナナは彼と、バスルームに閉じこめられたのでした。






 ザアァ―――――…

 最初は水が出てくるので、シャワーには当たれずにいると、

 グイッ

 恥じらいだかなんだか、鏡に向いて俯いていたナナは、いきなり向きを変えられた。


 「どこ見てんだ?」
 「やっ、あの…、」

 まだ湯には打たれてないのだが、火照って仕方ないナナは、

 タンッ

 両手首を掴まれ、鏡に押し当てられて、

 クチュ――――…

 熱くくちびるを奪われた。


 「ん………っ、」
 すこし当たる、湯気の立つシャワーが、ふたりを濡らしてゆく。

 手首から上がっていった薔のゆびが、ナナのゆびに絡まって、

 グッ――――…

 カラダが、押し当てられる。


 「ん…………」
 眩暈にも似た激情のなか、ナナはまたしても腰が砕けそうで。

 ゆっくり開かれていったくちのなかへと、舌が這い入ってくる。


 「は……あ………っ、」
 舌を絡ませながら、触れ合ったくちびるの絶妙なタイミングで、呼吸を交わす。


 「はぁ―――――…」

 やがて、いったんキスが止まって、

 「ここじゃ、ヤらねぇよ。」

 それでもくちびるが触れ合うなか、薔は言いました。


 「せいぜい、疼いとけ。」




 その直後は抱きしめられて、シャワーのなかキスを交わした。

 濡れてゆく髪を、肩を、背中を、細くてながいゆびが撫でる。

 何度も開くくちびるの間、滑らかに入るのは、ぬるま湯と舌先で。



 「ん――――――…」

 呼吸を忘れてしまいそうなほど、激しいキスへと溺れていった。

[ 433/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る