※第21話:Game(in Ruins).19





「あとおまえ、今日は血液、吸ってねーよな?」
「ぇえ!?」
 言葉でのけぞる、ナナ。

「一緒に帰るか?俺の部屋に。」
「ぇぇぇぇえ!?」
 ナナは真っ赤になった。


「それとも、ホテルがいーのか?」
「…………………!!」

 絶句する、ナナ。


「安心しろ。とりあえず明日には、帰してやるよ。」

 ぎゃあ―――――――――っ!!




 ということで気づくともう暗かったので、ふたりして薔のマンションへと向かう際。

 服を着たあと、妖しかった部屋の入り口付近で、


「これはおまえのだろ?」


 そこに隠し置いてあった、ナナのもう片っぽの靴を手渡し、薔は言った。



「復讐ほどでもねーが、もう終えたからな。俺らはあとは、セックスだな。」



 シンデレラのその後を知らないナナは、ただポカンと大赤面していた。




 ともに置かれていた互いの鞄を手にして、いつものように歩きだした。


 一話おきは、またしても覆されるのか?












 裏山近くの、道路わきにて。

「ねぇ、あの人、お尻出てるよ?」
「本当だ。」

 ひそひそ話は、お尻を出して歩道に倒れているベンジャミンに、しっかり届いていた。
 お尻を中心に、見たくもないのにちっさいオトコは街灯に照らし出されていた。

「あれ、保護してもらったほうがいいよね?」
「そうだね、」


 ひそひそ話は、とどめをさした。





「きっと川で溺れたんだよ、体ブヨブヨだもん。」





 (……人間て、スゴイ。)

 ベンジャミンは、お尻を出したまま心で泣いた。












 んでもって、薔のマンション。

「あー、これは、ヤれねぇな。」


 先にナナをシャワーへ行かせた薔は、自身もつぎのシャワーから戻り、いつものカッコ(お察しください)で、そう呟いた。




 ナナはTシャツ一枚で花子に抱きついたまま、ソファで深く眠っていた。




「襲いてぇとこだが、まず、花子を離せ。」



 花子は、ナナに抱きつかれたまま、つぶらな瞳で尻尾を振って、大好きなご主人さまを見上げていた。







 よかった、覆されなかった、たぶん。

 残念。








 Probably he is matchless!!!!!!


  …………and erogenous?

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