07 : 持つべきものは友 バイトが終わって暗くなった道を一人で歩く。暗い、怖い。絶対こういう場所に幽霊って出るんだと思う。鞄を胸に抱き寄せて力強く抱き締める。足早に帰ろうと思ったとき、私の肩に手が―――、 『ぎゃああああああ!』 「【お、おい!響!】」 後ろを向いて見るとそこにいたのは見慣れた黒いライダースーツに身を包んだ私の友達。 『せ、セルティ―――、』 「【行き成り大声を上げるから驚いたぞ!】」 『ご、ごめん。てっきり幽霊かと思って…、』 「【“幽霊”?嗚呼、そういえば響は幽霊が苦手だったな】」 必死に頷く。脚ががガクガクするし、絶対涙目だ。 「【ここら辺は危ない。私が家まで送ろう】」 『いや、でもセルティの家と私の家反対方向―――、』 「【久し振りに響に会ったんだ。もっと話したいじゃないか】」 セルティが打ち込んだPDAを見て、感激のあまりセルティに抱き付いた。 持つべきものは友 (大好きだよ、セルティ!新羅くんに飽きたら是非私のところに、) [しおり/戻る] ×
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