なんでもない日だけど、ふと目に入った花が彼に似合いそうだなぁと思って、花束をプレゼントしてみることにした。


「ねぇ弔くん、受け取ってくれる?」
「あぁ?」

怪訝そうにじっと差し出した花束を見ていたけれど、しばらくすると人差し指を浮かせてそっと受け取ってくれた。不満そうにちょっと眉間にシワをよせてるけど、後頭部をがりがりかく癖は照れ隠しだって、私ちゃんと知ってるんだからね。

「ふふ、綺麗でしょう?」
「…似合わねぇもん寄越すなよ」
「えーそうかな?」

手で四角いフレームをつくって、弔くんと花束が収まるように覗き込む。一枚の絵画のようなそれにちょっと感動して息を吐いて、それに目聡く気付いた彼がフレームを壊すように顔を覗き込んできて、驚いて固まった私の唇をするりと奪っていった彼は、嬉しそうに目を細めた。

「…やっぱり、とっても綺麗だし似合ってる」
「……そうかよ」

白と、青と、紫色のトルコキキョウ。一見冷たい色の花束だけど、あたたかい思いが込められているそれは、キミにぴったりだし相応しいものだと、私は思うよ。







トルコキキョウ
白 永遠の愛、思いやり
紫 希望
青 あなたを想う










- ナノ -