共犯者




 目が覚めた瞳に映ったのは、ゆらゆらと水槽の中を優雅に泳ぐ赤い金魚。先週末、遠出した先のお祭りで迎え入れたのを思い出す。週末は二人で過ごす大事な時間だった。
 隣で動く気配がして顔を向けた。寝起きの男が眼鏡を探していた。

「おはようございます」
「ん」

 挨拶と一緒に小さくキスを交わす。誰にも言えない関係の私たちを、金魚だけは知っている。






2018.スパコミ 無配SS




2018.05.05





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