_2012.11.22



 放課後、校庭で遊ぶのにもあきて帰ろうと思った。ほんの少しだけ暗くなった廊下を歩いていれば、曲がり角で誰かとぶつかって尻もちをついてしまった。見上げれば、知らないおじさんが少しあせったふうでそのまま走っていってしまった。あんな先生いたかな?でも、そんなことはすぐに忘れてしまった。
 カラッと開けたドアの先の教室には誰もいなかった。みんなもう帰っちゃったのかもしれない。ミナちゃん、一緒に帰ろうって言っていたのに忘れちゃったんだろうか。
「……ミナちゃん?」
 窓ぎわの席まで行ったら、ミナちゃんが絵の具をぶちまけて倒れていた。どうしたんだろう、今日は図工はなかったはずだけど。ミナちゃんかと言われたら、正直よくわからない。でも、このスカートはミナちゃんのはいていたのと同じだった。どうしたらいいのかよくわからなくて、とりあえず自分のランドセルを開ける。
「あれ、ミナちゃん」
 教科書をしまおうと思っていたのだけど、ミナちゃんがおかしな顔できょろりとこっちを向いていたので、出来なかった。しかたがないので、ミナちゃんが入ったランドセルを背負ってミナちゃんちまで行った。

 ミナちゃんのおばさんにランドセルの中を見せたら、聞いたことのないすごい声で、おばさんは叫んだ。ランドセルの中は真っ赤な絵の具だらけだった。

赤いランドセル



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