CLAP THANKS





暑い。


ジリジリと肌を焼こうと足を伸ばしてくる紫外線に嫌気がさす。
昼休みの屋上でコンビニで買った焼きそばパン片手に静雄はどうやって次の授業から逃れようかと考えていた。
「暑いねぇ。どうして日本の夏ってこんなに暑いのかな。どうせ暑いならカラッとしてればいいのに無駄にむしむししててやんなるよ。あーぁ、次の授業出たくなーい。なんていってサボろっかなぁ?」
隣に座っている臨也が今しがた自分が心の中で呟いたことと同じ言葉を紡ぎ足す。
こんな奴と思考が同じだと思うと嫌気がさしたが、この暑さでは皆同じ思考回路になるだろうと我慢をした。
「ちゃんと出なよ。臨也は最近そういってサボりすぎ!」
「えーだって暑いとやる気しないんだもん!ドタチ−ン、新羅がいじめる!」
「俺もちゃんと出た方がいいと思うぞ。」
「ドタチンまで…!」
いつものように新羅と門田とコントの様な会話を繰り広げている臨也をなんとなしに見ていたら、ふいに目が合った。
「シ−ズちゃん」
「あ?」
「新羅とドタチンが次授業出ろとか言っていじめるんだよー。助けて?」
猫なで声を出しながら膝の上に来た臨也が首に腕を回してくる。
「…放せ。授業出るのは当たり前だろうがクソノミ蟲。」
触れた箇所が、熱い。
「あーひっどー。シズちゃんは俺と同類だと思ったのにー。」
近い。
「その辺にしとけよ。静雄が嫌がってるだろ。」
息がかかる。
「そんなことないよー。だってシズちゃんは」
だめだ。これ以上近付かれたら、
「俺のこと」
ばれてしまう。
「だぁーいすき、だからね。」
あぁ、あぁ。そうやってからかわないでくれ。
質の悪い冗談のつもりのそれは
「いぃぃざあぁぁぁやあぁああ!」

真実なんだ。




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