イナイレ文 | ナノ


わかってないな



(豪円♀鬼(表記のしかたがわからない。とりあえずCP要素あり))



昼休みに突然呼び出しを受けたかと思えば、何故か修羅場にいる…ということを、いくら鈍い円堂でも気づいていた。

「円堂」

「な、何?」


これはどういうことなの
と、言わんばかりの円堂を見てから、彼らはアイコンタクトをとった。

「ねぇ、豪炎寺、鬼道…」
「円堂聞いてほしいんだ」

円堂を壁に押し付け、出口を塞ぐかの如く豪炎寺と鬼道は円堂を追い込んでいく。

「「俺達、お前が好きなんだ」」

「…へ」

「円堂、俺もう我慢出来ないんだ」

「円堂が選ばなかったら諦めるつもりだ…」

さあ円堂、どっちが好きなんだ?
更に迫る二人に圧倒され、怯えてしまう円堂。
よくわからないことを聞くもんだなと円堂は疑問が尽きない。

「どっちかなんてわかんないよ。二人とも、好きだよ」

「…今言った円堂の好きは違うんだ」

「今の円堂の好きは友達として、だろ?」

「俺達の好きは、恋愛感情としてなんだ」

「恋愛…」

「…答えはまた今度聞く」

「結論が出たら報告してくれ」

「う、うん」

そうして二人は円堂の前から去っていった。


二人を選べ。
無理である。豪炎寺は豪炎寺でかっこいいし、鬼道は鬼道で素敵なのだ。
第一に、今まで友人として接してきたのだから、それ以外は考えたこともなかったのだ。


「う〜…」

唸り声をあげながら行く宛もなく廊下を歩いていると、豪炎寺を見かけた。

なんだか気まずくて影から様子を見ていると、誰かと話しているがわかった。

女子と話している。
しかも凄く可愛い、円堂と真逆のタイプの女の子。
それを見た円堂はなんだか不快になった。
…さっき自分に告白をしてきたのは何処のどいつだ。

彼らは端から見れば美男美女というお似合いカップルに見え、それは円堂も例外ではなく、彼女は余計腹ただしく思った。


胸のモヤモヤはとれなくて、今度は豪炎寺のいる場所と反対方向にただただ歩いていく。

途中で鬼道のクラスの前を通った。
そっと中を覗くと、鬼道が何やらノートにペンを走らせている。
その姿は流石美形。
思わず見惚れてしまう。
不意に、円堂よりも年下の二人組の女の子達が(教室移動なのだろうか)後ろを通った。
その女子からチラッと聞こえた会話。

「鬼道先輩って凄くカッコイイよね」

そうだよなと同感はしたものの、再び円堂の心に不快感が詰まった。
そしてその場から立ち去ろうとした矢先。

「そうそう、この前鬼道先輩と話したんだ!」

「うそぉ、どうして!?」

円堂は耳を傾けた。盗み聞きは良くないと思いながらも、どうしてもその場から立ち去ることが出来ない。

「音無さんいるでしょ?サッカー部のマネージャーの。音無さんと一緒にいたら先輩こっちに来てね、少し話しちゃった」

「いいなぁ」

「今度告白してみようかな」

「頑張って!応援するよ」

彼女達は陽気な様子で駆けていき、円堂は静寂に包まれた。

「…畜生」

なんだか無性にムシャクシャした。きっとこんなにイライラするのは、先ほどの突然の告白のせいだ。
友人だと思っていたのに、恋愛感情としての好きだとか困惑させることをいい放ちながら勝手に去っていって。

豪炎寺は明らかに自分よりも女の子らしい子と仲睦まじく、恋人の如く話をしているし、鬼道も可愛らしい後輩に気を持ってもらってさぞかし機嫌が良いだろう。

同時に二人にこの不快な気持ちを伝えて、やっぱり恋愛対象として見れないと伝えようと思った。


後日、改めて3人が対峙した際に二人に感じた不快感を伝えると、二人はびっくりして顔を見合って、そして二人とも何故か嬉しそうにした。
その後、なんと彼らは3人で付き合っても全く構わないと言い出したのだ。

「だから、お前たちとは付き合わないって!」

「素直になれよ円堂」

「そうだぞ、これからは恋人同士なんだ」

「だーかーらー」

二人がにやにやしていて気持ちが悪かった。






>>鬼道も豪炎寺もぶつかってんのよりお互いを親友、ライバルとして接してるのが好き。