授業放棄! 授業放棄!(円+南+アツ) ※高校生パロ。 ※アツヤ生きてるよ! ぐったりと机に突っ伏し、授業放棄。 ダルい体を机に預け、顔を少し動かす。教師と目が合ったが、またかという表情をされ目線を逸らされた。 無視だ。 まあこっちもその方が都合がいいので、特に何か思うところもなく、窓側に居るために当たる暑い陽射しをちょっぴりうざったいと思いながらぼーっとした。 のんびり時間の流れに身を任せていると、俺より前の席にいる円堂守のおかしい動きに気がつく。その動作に釘付けになっているとき、横から紙飛行機が飛んできた。 「いてっ」 それは俺の頭にくさりと刺さり、まさにクリーンヒット。100点満点の命中に南雲のぼんやりとしていた視界がクリアになり、それが飛んできた方を睨み付けた。 「南雲、どうした?」 「あ、いえなんでも無いっす」 声を出してしまったためか、関わりたくないという顔をしながら教師は渋々と南雲に話し掛ける。 そんなに嫌なら話しかけなきゃいいのにと思い、しかし原因はアイツだよと無性に告げ口をしたくなった。 教師の視線が途切れて、南雲は凶器的な尖端の紙を飛ばしてきた張本人を再び睨み付ける。 斜め後ろを向くと、後ろ数名の生徒はクスクスと笑っていて、そしてピントの合った原因の吹雪アツヤはニタニタと笑っていた。 死ねと口パクすると、アツヤは腹を抱えてひゅーひゅーと呼吸をする。 笑ってんじゃねーよ馬鹿っ。 紙飛行機を飛ばし返してやろうかと紙飛行機に触れると、裏側に油性のマジックで文字が書いてあるのか黒いインクが紙にポツポツと滲んでいた。 開いてみると、 寝てんじゃねーよ、涎酷いぜ? と書かれていて、南雲は自身の髪の色と同じ色で顔を染めながらアツヤにガンつけ、しかしアツヤはそんな様子に更に腹を抱えて肩を激しく揺らし、顔を伏せるほど酷く笑った。 「出来た!」 そんな中、円堂の大きい声が教室を包む。 教師は勿論、南雲もアツヤもクラスメイトも呆気にとられ、円堂に視線が集中した。 「あ、」 焦ったようにガタガタと机に何かを仕舞う円堂に教師は近づき、今しまったものを出しなさいと言う。 他の人はぽかんとする中、円堂はというと顔を真っ赤にさせ今にも教室から飛び出してしまうのではないかと思うほどに声を震わせ、体は縮こまっていた。 「み、見ても楽しくないですよ…」 「没収するので出しなさい」 「ふ、ふぇぇ…没収は勘弁してください…」 恐る恐る円堂は隠したあるものを出す。クラス全員がそれに注目していると、さすが円堂と言えるものが出てきた。 「グローブ…?」 「昨日…鉄塔で練習しているときに破っちゃって…縫ってましたァ…あはー…」 「…没収」 「うわぁ、サッカーできなくなるので勘弁してくださいいい!」 「何やってんだアイツ…」 アツヤがぼそっと呟いた。 同感だった南雲は、紙飛行機に一言書いてアツヤに飛ばした。 それを開いたアツヤはニヤリと笑う。 「円堂!」 「へ?南雲?」 いつの間にか円堂の後ろに立つ南雲とアツヤ。教師は何で立っているのかと彼らを一喝したが、二人は聞く耳を持たない。 後ろから首の根っこに腕を回し、軽く引っ張ると、円堂のぐぇっと言う苦しそうな声が聞こえた。 「せんせぇ、返してね!」 今にもハートマークが飛び出してきそうなアツヤの甘ったるい声に身の毛がよだつ思いをしながら、南雲は円堂を更に引っ張りニヤリと笑った。 「じゃ、バックレまーす!」 南雲は円堂を連れて、アツヤはグローブを連れて教室を飛び出す。 「え、えええ〜!?」 あわてふためいた円堂を他所に、南雲とアツヤはにんまりと笑ったのだった。 >>この3人好きだぜ…うおおおおおふ |