ジンジャーミルクティ2 ((豪)円♀) ※円堂の一人称が俺ですが、女の子です。 ※風丸が親友立場。 「ど、どうしよう…」 先日交わした、ジンジャーミルクティを飲みにいく話。俺は豪炎寺と一緒に行くということのまた別の意味を、前日にようやく理解した。 「デート、だよなぁ」 あの時に異様に笑っていた豪炎寺の顔が思い浮かぶ。あれは絶対に気づいていた。そしてあえて黙っていたのだ。 「豪炎寺も人が悪いぜー…」 ほとんど自分からデートに誘ったようなものだ。恥ずかしいことこの上ない。 思い出すだけで顔から火が出そうだ。もう考えないようにしよう。 はぁと一つ溜め息をつくと、円堂は目の前に積まれている服を見て再び溜め息をついた。 「問題はこっちだよ…」 円堂と豪炎寺は現在付き合ってる。しかし最近は部活やら大会やらで忙しく、きちんとしたデートは行ったことがなかった。 これが初のデートなのだ。 それゆえ、円堂は戸惑っていた。それもそのはず、毎日男の子と同じように泥だらけになってフィールドを走り回っている彼女には、服装にあまり興味がなく、可愛いと言えるような恰好がよくわからなかったからである。 「デートの服って、どうすればいいんだよ…」 なんだか昔軽く見た少女漫画の一コマを思い出した。 デートのときの服をどうしようと言っていた気がする。 当時は色恋沙汰なんて全然興味がなかったから、ふーんの一言で読み進めていたけど今は痛いほどに気持ちがわかる。 「どうしてたんだっけ、主人公…」 どうも思い出せない。ただ、これだけは思い出せた。 「確か、親友に泣きついてた気がする…!」 そうと決まればと、さっそく円堂は一階にある電話へと駆けていったのであった。 * 「ーで、」 「うん、風丸よろしくな!」 急用だと言われて急いで来たら、円堂の相変わらずごっちゃりとした部屋に通された。 そして自分のファッションショーを見ろと言うのだ。 「ファッションショーじゃないよ!俺の服で可愛いと思うの決めてほしいだけだよ!」 「さいでっか。で、突然なんでだよ」 「うっ、それは…」 「…?」 友達と遊びに行くからと円堂はぼそぼそというが、一瞬で嘘だとわかる。 「おい、俺と何年親友やってると思ってんだよ…嘘つくな」 「あ、バレた…?」 「当たり前だ。理由言わなかったら帰るぞ。夕飯の途中だったんだから」 円堂はわりーと言ってそしてもじもじし始める。 中々口を割ろうとせず、ひどく焦れったい。 …まあなんとなく察しはつくが。風丸は面倒になり、円堂を促した。 「ごう?」 「うええええええなんで豪炎寺!?」 「そうか豪炎寺か」 「うわああ言っちゃったぁっ!」 林檎病じゃないかってくらい顔を赤らめる円堂に溜め息をついた。その顔は彼氏の前でやってくれ。 「その、豪炎寺とデー…ト」 「わかりましたよ、さっさと始めなさいなファッションショー」 「だからファッションショーじゃないって!」 「へーへー」 円堂は顔を赤らめながら服を無造作に掴み別室へと行った。 「相変わらず面白い奴」 微笑しながら、空腹で音のなるお腹を押さえる。そしていつ夕飯が食べれるかなとぼんやり考えたのだった。 >>ジンジャーミルクティ関係無いな 次は豪炎寺とデート!多分。 |