先輩



やけに部室が広いと感じたり
全員いるはずなのに足りない気がしたり
廊下で会った時の会話が続かなくなったり、

そんな時、先輩達の引退を理解する

小さなことでたくさん笑って、
大切なことを教えてくれて、
日常に埋もれた幸せがあって、

それでも、先輩はもう先輩じゃない。

一日をもっと大切にしたかった。
終わりの日にもっと泣きたかった。
もっと良い後輩で在りたかった。

今更な後悔をそっと胸にしまって、
新しく歩き出していくけれど。

あの訳もなく楽しかった日々は、
ただそこにいるだけで幸せだった日々は、
たとえ同じみんなで同じ場所を作っても、
もうあの日は二度と訪れない。

それでも、いつか。
貴方達が先輩で幸せでしたと、
先輩の後輩でいれてよかったと、
そう言える日が来ることを願ってる。



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120222


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