オンナノコ成分表 | ナノ

オンナノコ成分表


「やーぁらかーい。」
「こら。」

一層弾力のあるふにふに(いわゆる女性の象徴)に顔面ダイブ。地べたに座った土方へ覆い被さりだらりと四肢の力を抜く。くぐもった声でだらしなく感想を言ってみたら呆れた声が降ってくる。けれど遠慮なく胸の谷間に顔をうずめて(いわゆる男性の夢)無呼吸に努めてみる。うん、やっぱりやーぁらかーい。
学生的にはとうに鳴った始業のチャイムが大事なんだろうけれど、恋するオンナノコ的にはいちゃいちゃが大切なんです。なんつって。顔を上げてきりっとキメ顔(当社比)で乙女の常識を教えてあげたら眉をひそめられたので、美人が台無し!って誉めてみると白い目に痛い子って言われた。ちぇ。でもほんとう。しかめっ面でも美人は美人。欲を満たすのは学業じゃなくって男子禁制の秘めごと。シたいことは不特定多数との体育小なり怒りっぽくて美人な彼女との更衣室ランデブー。


始業のチャイムが鳴ったってことはイコール授業が始まったということ。耳を澄ますと教師が吹く笛の音が微かに聞こえる。今日から体育は……何だっけサッカー?ソフトボールって言ってたっけ?記憶の海にダイブしてみたけれどすんなり諦めてとっとと浮遊。参加しなかったら何だっておんなじ。土方はロッカーを背もたれにして嫌みったらしく長い脚を存分に伸ばしてこんな風にぼやく。


「怒られたらお前のせいだから。」
「止めなかった時点で同罪でーす。」
「止めたじゃん。」
「止まってないから止めてないのと一緒。」
「あのなぁ、引っ張って連れて行こうとしたら後ろからタックルかましたの誰よ。」
「さァ?それより結局一緒にサボっちゃってる流されやすいの誰だろーなァ。」


ニタァといやらしい笑みで尋ねてみたら土方はぐっと言葉に詰まっちゃう。脚の長さと胸の大きさは惨敗だけれど口は私のほうが達者。
と、いうことで、投げ出された臣脚の間にうつ伏せに挟まって再び双峰に顔を沈める。危うく透ける黒ブラはエロさ満点。こら、と頭をぺちんと叩かれたけれどやめる気はさらさらない。人肌を堪能しながら体操服ってとっても素敵だとおっさんくさいことをしみじみ考える。くっきりと浮かび上がった胸の形にブルマから伸びる生足。健康的にきゅっと締まった尻のラインや内太股を合法的に拝ませてくれる点については、時代遅れのブルマを採用している馬鹿校長に大感謝。


湿気と甘い制汗剤の香りの籠もった更衣室は静寂と一緒によからぬ妄想が蔓延る。女の子はいけないことが大好きなのだ。すべすべの脚を絡ませて身体の柔らかいところをぎゅむぎゅむ押し付けて、ちゅっちゅと濡れたくちびるを重ねてみたり。長い黒髪から漂うシャンプーの香りは石鹸なのに鼻腔をくすぐる服の残り香は煙草。回した腰回りは細いのに頬を寄せる胸は柔らかい。


「やっぱり汗かくことしよーよ。」
「ここで?」
「あと二十分あれば余裕でさァ。」
「お前はほんとダメな子。」
「土方だってえっちなこと好きなくせにー。」


なんつって必殺上目遣いで、ね?とおねだり。右胸をぎゅって揉んでみたらブルマの隙間からずるりと指が滑り込んでくる。えっちーって笑ってみたけど濡れてるって返されたから何も言えないや。ロッカーがガタン、と鳴る金属音に体操服をたくしあげる衣擦れの音。遠く聞こえる笛の音と同級生の声たちが神経を過敏にする。
いけないことをしている。はしたない指の律動に合わせて息を荒らす、埃っぽくて薄暗い更衣室の片隅。男の子は知らない。女の子が内緒の塊だっていうこと。声域は変幻自在。清純派なんて大抵は偽物。お化粧はもはや魔法。


「んッ、ふぁ、…へへ、その点土方は素で満点ー。」
「どの点。結論だけ言われてもわかん、ねー、って…ッ、」
「長くなるから好き、ン、好きって、ゆーことにしといてくだせェ。」
「…それはどーも。好き、ねェ。」
「好き?」
「ん、好き。」


伸びやかな睫毛も形のいい綺麗な爪も本物だから魔法はとけない。紛い物じゃない、誰も知らない愛とくちづけはとけないかわりにとろけちゃいそうだ。本物でも秘密は秘密。まるっと秘めごと。なんと今私に熱で溶けた瞳を向けているのは土方なんだぜ残念ざまぁ!って彼女狙いの全男子へ心中で盛大に嘲笑う。
噛み付くキスをすると仕返しだと言わんばかりに舌を突っ込まれた。可愛いだけじゃなくって柔らかいだけじゃない。お砂糖以上に香辛料を。お花畑は案外下品なのだ。さてさて二十分で終わるかな?







おんなのこの秘めごとってとっても素敵。美乳美尻美脚土方と電波ちゃん沖田の百合を全力で推します。

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