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まさか沢田がそんなことを望んでいるなんて思いもしなかった。
これから一生僕の側にいられるんだから、これ以上の事はないのに。
目の前の沢田は一歩も譲らないとでも言うように、僕のことを睨みつけている。
・・・むしろこの顔、可愛すぎなんだけど。舐め回したい。
暫く睨みあった(僕は睨んでいるつもりはない)後、は、と小さく溜息をついた。
全く僕もずいぶんわがままな子を好きになったものだ。
「・・・分かった」
「え!」
沢田の表情がぱっと明るくなる。そんなに群れるのが好きなのか、この子は。
「でも気を付けないとだめだよ?君を狙ってる男はそこいら中にいるってことを忘れないで」
「ねらっ・・・?」
ああほら、目を丸くしてきょとんとしてる。今は僕と二人きりだからいいけど、この子は外でもこんな顔をするから安心できないんだ。
は、ともう一度見せ付けるように溜息をついた。
本当に、何にも分かっていないんだから。
「ねえ、君が僕のモノだって、みんなの前で宣言しておきたいんだけど」
「え・・・」
「じゃないと、心配だから」
ね?、と優しく笑いかけると、沢田の顔が見る見る紅く染まっていった。
少しの間もじもじと恥ずかしそうに俯いていた沢田は、やがて下を向いたまま、コクリと頷いた。
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