ビタミン剤はいかが



「ねえセブルス。私本当にリリーのこと大好きだったのよ」



もちろんあなたのことも。
そう言ったナマエはいつの間にか私の前から姿を消した。
それはリリーがこの世を去ってすぐ、世界が平和になってすぐのことだった。




ナマエは私のことを愛していると言った。
しかし血迷ったのかと私は取り合わなかった。
その時のナマエはどうであったか。
泣いていたか、ただ俯いただけだったのかそれすら覚えていないのだ。
あの時まで私とナマエはたしかに友人であったのに。





ポッターのひどいレポートを見ながら、私はリリーのことを思う。
私はリリーのことを愛している。
それは友への愛か家族への愛かそれとも恋人への愛なのか今はもう判別がつかない。
ただポッターの瞳を見ると泣き叫びそうなほど彼女を感じた。

そうして小さくナマエの名を呼んだ。
そうしたらひょっこりどこからか彼女が来ると思ったからだ。
そう思い毎日のようにナマエと呟き続けたが、彼女は現れなかった。
あなたは闇夜のような人ねと笑った彼女はもういないのだ。
ナマエのことを大切に思っていたのに、リリーのことも大切に思っていたのに。
一度も声に出さなかった。
後悔しかない。







ナマエよ帰ってきておくれ。
愚かな私を叱っておくれ。
うなされる私を抱きしめておくれ。
立ち竦む私を叩いておくれ。
泣く私を慰めておくれ。








最後に私へ優しいキスをしておくれ。
ナマエが好きだったオレンジのキャンディーを舐めながら、私の一日は今日も始まるのだ。






一人称が私のスネイプ先生もいいよね