「…………」
「いやー、寒い日はお汁粉に限るッスね！」
「…………」
「栗善哉や白玉入りも中々美味しいんですが、やっぱりシンプルな餅入りの汁粉が一番というか」
「…………」
「おや、もしかしてお汁粉は苦手でした？」
「あ、いえ。餡子大好きなので苦手ではないと思います」
「と、言いますと？」
「その……実はお汁粉いただくの初めてで」
「なんと」
「今まで誰かとこうして出かけるなんてほぼありませんでしたし、最中とかお饅頭とか持ち帰ることのできるものは食べたことあったんですが、お汁粉は」
「なるほど。じゃあボクがその初めてをいただけたってことッスね」
「…！もう。含みのある言い方しないでください」
「良いじゃないッスか、事実だし」
「婉曲してるでしょう」
「そんなことないッスよ。ささ、冷めない内に食べてみてくださいな」
「…………」
「どうッスか？」
「………おいしい」
「それは良かった！」
「…………」
「どうしたんスか？」
「……こんなに幸せで良いんだろうかと考えてました」
「！それはこちらの台詞ッスよ」
「意味が分かりません」
「そのまんまの意味ッス」
（幸せを貰っているのは、きっと）
幸せを貰ったお礼です
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