友哉は夜の大阪の町をブラブラし始める。
夜で歩いてみると酔っぱらったおっさんや、今の謙也の様に髪を脱色していたり染めている奴らが闊歩していた。
決して治安はいいとは言えない空気、その辺の路地では殴り合いの喧嘩が連日勃発していそうだ。

街灯の少ない道を歩いていると路地から呻き声と心地よさげな何かを殴る音が聞こえる。

「お？喧嘩か？」

その路地に近づいてみると中学生ぐらいの少年が同じく少年を一方的に殴っている所だった。

「あー……こりゃ喧嘩じゃねーな。カツアゲか、だったら関係ねぇな、次行こ次。」

(ちょい友哉、なんで助けないんや!?)

「なぁ、お前勘違いしてねぇか？助ける義理なんてねぇだろ。俺は人助けをするためにこの街を歩いてんじゃねーよ。縄張り争いに遭遇するために歩いてんだよ。」

(せやかて、)

「もしもお前が、お前だけの状態でこんなのに遭遇したらどうすんだ、見て見ぬ振りすんだろ？」

(っ……。)

「はい図星ー。つーわけでさよーならぁ。」

友哉は踵を返し去ろうとした。
が足元に転がっていた空き缶を蹴飛ばしてしまい派手な音を立ててしまう。

「誰や!?」

音に気付いた少年は殴る手を止め声を荒げる。

「(チッやっちまった)俺様だ。」

堂々とふんぞり返り相手を睨む。

(ちょ、俺のキャラちゃう。)

「ハンっ誰かと思ったら……。なんや？また殴られたいんか？」

「(またって、謙也殴られたことあんのか？)」

(数日前に…殴られた気ぃする。)

「(お前他校にも敵作ってんのかよ。)」

「おい、シカトこくなや、コラ。」

「…なぁお前、どっかの中学とかしめてねぇの？」

友哉はいきなり本題を聞く。
聞かれた男はいきなり何言っているんだと頭の中に？が浮かぶ。

「あ？」

「チッ一回で理解しろよ。この単細胞。」

「自分いきなり調子こいてんやないで。三天宝寺中学をしめてる俺に単細胞やて？ええ度胸やん。」

「ビンゴ。だったら俺がお前に喧嘩で勝てば俺はその三天宝寺中ってーのを牛耳れるな？」

「はぁ？…ハハハハハ!!何言っとんや？くそ弱いお前が俺に喧嘩で勝つって？おもろいこと言うやん、ええで俺が負けたら牛耳らせてやるわ。」

「よっしゃ、話が速ぇじゃねーか。」

「俺がお前に負けたら、なぁ!!」

少年が拳を握り友哉に向かって突進してくる。
まだ最後まで台詞を言ってなかったのに殴りかかってきた。
しかしそんな不意撃ちも友哉には効かない、
ひらりと避ける。

「喧嘩っ早いなお前、けどそんなバカは嫌いじゃねーぜ？」

飛んでくる拳を避けて、的確に人の急所に攻撃を加えていく。
そんな喧嘩を始めて時間が経たないうちに決着した。

もちろん友哉が勝つという結果で、