俺はお前で、 | ナノ

俺がお前で、 第12話
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校門のところで各学校を牛耳っている少年たちがノックをする。
荒々しく門を蹴って威嚇している。

騒ぎに気付いた先生も門へと駆け寄るが怖くて近づけない。
白石も近づけない…といった演技をかます。先生の前でいい子ぶっているせいだ。暴れることが出来ない、

少年たちも白石の姿を見て動けないでいる。
白石は昔この少年たちと一対一で沈めており白石という存在を確かなものにしていた。

そんな硬直状態の中飄々と登場したのは謙也の姿をした友哉。

「おー、来た来た。
はーい、ギャラリーさんはどっか行ってねぇ?俺とこいつらの喧嘩に巻き込まれちゃうよ。」

にっこにこ、
営業スマイル顔負けの笑顔で警告。

ギャラリーたちは巻き込まれてたまるかと、去って行く。
教師たちも庇いもせずに職員室へと帰っていく。警察沙汰なんかにしない。
白石も謙也がフルボッコにされるところを見学しようと屋上に足を運ぶ。もちろんテニス部メンバーにも声をかけて、


「三天宝寺クン、怪我治った?」

「うっさいわボケ!!お前はこのメンツの拳を大人しく浴びときゃええんや!!」

「おいおい、とりあえずそのメンツの構成を教えてくれよ。」

「聞いて驚け!!一天宝寺、二天宝寺、五天宝寺を牛耳っとる人らとその人らの精鋭の舎弟や!!」

「あんれぇ?四天宝寺の白石クンがいねーじゃん?ま、いいけど。
俺はとりあえず喧嘩が出来ればもうそれでいいや。
さぁ、来いよ。


ここからは俺の独壇場だ。」



「「「「っ…いてこましたれー!!!」」」」


一気に5人程度の少年が襲ってくる。素手であるいは鉄パイプを振りかぶって、
それを謙也持ち前のダッシュ力でその場から離れる。
標的を失いバランスを崩した少年たちは味方を殴り自分も殴られ自滅していった。

「アハッばっかでぇ。挑発に乗るなんてはっずかし!!
ほら残りもかかってこいよ、コラ。」

もう一度挑発する。
が、また一度に攻撃してくることはしない。
少しずつ時間をずらしての特攻。

「あらら、そう来るんだ。残念ながら俺こっちの方が得意だっつーの、
今回は人数多いからな…はなっから手加減なしだぜ!!」

友哉は人体の急所を的確に狙い、いつもなら殴るところを蹴りに代えより殺傷能力が増す。

「アハッアハハハハハハ!!!なんだ俺蹴りでもいけるじゃん。むしろこっちんが強い?」

流れるような動きで少年たちを的確に落としていく。
頑丈そうな少年でも這って動くことしかできない。

「ハハッまるで芋虫だな。」

「っう…。」


元気に這って動ける奴らにもう一度打撃を加え動けないように、

友哉の周りには立っている者などいない、地に伏している少年たちが居るだけだ。

「あーぁ、他愛もねぇ。それでも学校牛耳ってんのか?あ?」

一番偉そうな少年の背中を踏みつける。

「ひ、ヒィ!!」

「なぁ、牛耳ってる権利、俺にくれよ。」

「や、グェッ!?」

少し体重をかける。

「え?や?いやなのか?そんなのお前に与えてねぇよ?お前らってホントバカだよなー。この俺が敗者なんかに選択肢与える訳ねぇだろ?お前は、この俺に、権利を譲ればいい。
それだけの話だろ?」

「そんヴァア!」

すでに全体重を片足に乗せる。その片足の着地点は左胸部。

「お前、死にたいの?死にたいんだな、よし分かった。俺がこのままお前の体の上でジャンプすればお前の肋骨は折れるだろ?それでそれが心臓に刺さってThe Endだ。
それが嫌ならさぁ寄越せ。
なに、俺も鬼じゃない。俺が守本友哉と名乗ってる時だけでいいさ。」

どうする?
と笑顔で問う。

「やる!!やるからッ助けてくれ!!」

「その言葉嘘じゃねーな?あん?」

「ホンマや!!」

「そ、ならいいや。お前らどっか行け俺の目の前に二度と、二度と入ってくんじゃねーぞ。」

最後に脅しをかけ、友哉はその場を離れる。
向かう先は待つように言った財前の元。

「ちょっと疲れたな…。謙也……大詰めだぜ?」

(………――――――。)


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