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ほら、と僕の目の前に置かれたのは学校の購買の日替わり限定品、チキン竜田サンド。あ、これ朝から食べたいと思ってたやつだと思い、持ってきてくれた相手ににこっとほほ笑む。
「ありがとう会長」
「べべべべ、別にお前のために持ってきたんじゃないからな!俺の昼を買うついでだ!お前の腹が空いてたら生徒会の仕事が片付かないからな!効率を考えただけの話で、お、俺のためなんだからな!」
テンプレツンデレ乙、と周りの生徒は言葉にせず胸にしまい、また食事を再開する。
「でも嬉しいよ、ありがとう。そうだ、一緒に食べようよ」
「へ、あ、いや、俺は…」
「僕一人で食べるの寂しいんだよね」
「し、仕方ないな。寂しいお前のために俺が一緒に食べてやるよ。有難く思えよな!」
「うん、ありがとう」
ああ、耳まで真っ赤にしちゃって可愛いなぁ。
ペリペリとパンの包装を剥がしながら落ち着かずそわそわする会長の様子に、僕は眼を細めてひっそりと笑った。






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