唇の使用方法ver01 | ナノ


唇の使用方法





「光、あーんし」


そう言うと、物欲しそうに俺の抹茶あんみつを見ていた光は黙って口を開けた。なんや、やっぱり食いたかったんか。

部活帰りに寄ったカフェで光はいつものように白玉ぜんざい、俺は珍しく甘いものが食べたくて抹茶あんみつを頼んだ。


「うまい?」

「うまいっすわ」

「もう一口やろか?」

「ん」


アカン、ちょっと口開けて上目遣いでこっちを見てくる光かわいすぎやろ!甘いものが食べたくなった俺GJや!なんてことを繰り返してたら、俺の抹茶あんみつはほとんど光が食べてしまった。それでも光のこんなかわええ顔が見れるんやったら安すぎるくらいや。でもどんな光でもかわええからそれも困りもんやな。





「謙也さん」


「んー…、光?!」


部活前、部室には俺と謙也さんの二人だけ。着替えようとしてワイシャツを脱いだ謙也さんは、まだ寒いってのになぜかタンクトップ1枚で携帯をいじっていた。ジャージ着てからにすればええのに…。で、そんな謙也さんに俺が抱きついた。謙也さんはかなりびっくりして、携帯落としてた、阿保や。


「なんや?!なんかあった??!」


確かに俺から抱きつくなんて滅多にないけど、あせりすぎやろ。おもしろくなってきて、今度は剥き出しの肩に噛みついた。肌を吸うようにしてから唇を離すとくっきり赤くなっとる。


「ついた」

「…なんや甘えたやん」

「ただの気まぐれっすわ」

「じゃあ俺もつけたる」


謙也さんがあせってたのは最初だけで、なんかもう嬉しそうにしとる。しかも俺が羽織ってたジャージを引っ張り下ろし、肩にキスしてきよった。


「…ん」


それだけで終わるわけもなく、さっき俺がやったように噛みついてくる。いつまでたっても頭を上げずに吸いついてくるから、目の前の謙也さんの後頭部をペシンと叩いた。


「しつこい」

「な!光もやったやないか!!」

「そこまで長くやってないです。ええからはよ着てください」

「あ、待ってや。一緒行こ」


謙也さんはそう言ってすごい速さでジャージを着た。最初っからそうしろや。キスマークつけたのは俺が先やけど、あっさり付け返されたのはなんやおもしろくない。部室で変な気起こした謙也さんに噛みつかれましたーって部長にチクってやろかな。


title by aiueo



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