診断メーカーの
お題ひねり出してみた
様よりお題拝借。
◆
私達のこの関係は、一体なんなのだろう。そう、傍から見たら『推しとオタク』なのはわかっている。でも私達は、他のファンの女の子に隠れて秘め事をしているのだ。
「ほんと可愛いなぁ、よちよち」
ベッドで『そういう行為』を終えた後、彼は必ず私を甘やかしてくる。行為中はあんなにサディスティックなのに、事後はこの上なく甘い。
「……あまやかされるの、すき」
「もー、本当ばぶちゃんだね。俺にハマりすぎ」
こんなことをしているにも関わらず、私達は付き合っているわけではない。ただ、私が彼の最古参オタクで、ずっと活動を追っていたら認知されてたまたまオキニになり、そのままこういう関係に……というだけの話である。そう、私が彼を推し始めたのはもう七年以上も前のことだ。もうすぐ八年になる。だからこそ、『推し』がどんなにクズだと知っても推し降りできない。依存から抜け出せない。あまりにも深い沼。
「ねぇ」
「ん、どした?」
私は口から出そうになった言葉を飲み込む。そう、これはきっと聞いてはいけないこと。
(あなたと私の関係は一体何なんだろう、だなんて聞けない)
彼はうわべだけの愛情をくれる。しかし、それがうわべだけなのも私は十分にわかっている。その上で私は彼とこういうことをしているのだ。でも、それでもその先に進めたなら、と心のどこかで期待してしまう。でもそれは報われぬ恋だと、苦しいほどわかっている。
「なんでもないよ」
「えー、気になる」
この関係に名前を付けるとするならば、セフレ以上恋人未満。ジェラートより脆いこの夢は、きっと長く続かない。でも私は、そんな甘さに溺れていくのだ。
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