「おはよう〜〜……サン…じゃない!間違えたっ」

 遅くまで本でも読んでいたのだろうか、珍しく後の方に起きてきたチョッパーが眠たそうに眼を擦りながらダイニングに入ってくる。偶然扉の近くでウソップと話をしていた私の足にくっついてきて大変にかわいいのだけれど、朝から特大の爆弾を落としていくことになろうとは夢にも思わなかった。

「うん?」
「おはよう」

 何を間違えたのかと朝食の支度を進めつつも首をかしげているサンジに、とりあえず挨拶を返す私にウソップが続く。

「どうしたんだよチョッパー、いくら寝ぼけてるからってサンジとこいつを間違えるか〜?身長も髪型も違うだろ」
「違うんだよウソップ、匂いがな、いつもより違うんだ」
「匂い?」
「そう。サンジの煙草と、時々つけてる香水と、海の匂いがな、今日はこっちから特にするんだよ。普段も少し匂うけど、今日は特に濃いから寝ぼけて間違えて…ごめんな!」「……いや、いいんだチョッパー。今日のおやつはわたあめのフルコースにしてやるよ」「えっ本当か〜!?ありがとう!楽しみだな〜!」
「………うそ……」 

 目に見えてご機嫌になるサンジと青ざめる私、それからダイニングにいる船員たちの「ああ〜ハイハイ」という、声には出さないが、生ぬるいそんな目線と空気がいたたまれない。「…お前らなァ〜……」「言わないでウソップ……」頭を抱える私の肩を抱き寄せて「いい朝だな〜!特に今日は!な、レディ?」と器用にもハート型の煙を煙草の先から漂わせているサンジの顔を押し退けて「……当分近寄らないで……」と呻くのが精一杯だった。「サンジ!メシーーーー!!!」とルフィが元気に飛び込んで来てくれなければ海に身投げしているところだった。ありがとう船長。嘆くサンジを無視してフランキーの隣に座れば肩にぽんと手を置かれた。ありがとうナミ。今日もサニー号は平和だなあ。
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