煉獄が声量の関係で特別に放送部員をクビになったので、急遽無所属の私が代理を務める事になった。どうしてまた放送部員なんて似合わない役を選んだのかと聞くと、たまたま風邪で休んだ日に決められてしまったのだという。私は煉獄が風邪を引くのだという事実と彼を放送部員に決定した人間のセンスの悪さを大いに笑った。逆に狙って煉獄をそこへ所属させたならば、それは彼を見る才がある。是非友達になりたい。

「ちなみに煉獄の放送部を推薦したのは誰だったの」
「宇髄だ」
「なんだ後者か。しかも既に友達」
「なんの話だ」
「煉獄は愛されてるってこと」

私は煉獄から引き継がれた書類を捲り、目についた部分を適当に読んだ。あまりにも型苦しく作られたそれは私を簡単に嫌悪感に浸した。まあいい。その場で上手く回す事が出来れば良いのだ。それに、私が与えられた仕事は放課後の簡単な放送だけだ。

「それは…君にか?」

書類から顔を上げると顔を染めた煉獄が正面に居た。

「え?なにが?」

さっきまで何の話をしていたのだったか。



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