てのあたたかさが良く分かる、だって、外気はとても冷えているから。

「だが君は夏場だって指先が冷たいぞ」
「そうでないと煉獄さんが手を握ってくれませんからね」
「なに?」
「私の手は分かっているんです、いつも冷たくいればあなたが温めてくれるってこと!」
「…………」
「煉獄さん!」

わたしと煉獄さんの指の付け根が、ぴったりとくっつきあった。五本の指のどこにも隙間なんて許さないくらいにきつく接して、それは彼が行ったことだった。でもまだまだ、力は緩まないで絞められて、わたしは心臓をそのまま彼に握られているような感覚でいて、息が苦しくなって、しばらくは呼吸をするのが嫌になってやめた。加減の良くないそれに、己の指の血管も流れを幾分も緩やかにして休んだ。十分に循環しない血の巡りで、更に指先が冷えてゆく感じがあった。煉獄さんは顔を逸らして、その顔がわたしの目に触れることを拒んでいたけれど、代わりに彼の耳の先が、髪の間からしっかりとわたしに向いていた。あたたかそうな色だと良く分かる。わたしは頭のほうばかりに溜まった熱を逃がす為に、やっと呼吸を再開した。



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