蝉が思い切り鳴いていたので私もないた。だけど昆虫類とは全く異なるなき方だ。

「夏休み補修ー!!」
「当たり前だ。数学、小テストですら白紙で出していたんだろう。そんな生徒は君ぐらいだと不死川が言っていたぞ」
「それがですね、数学だけじゃなくて英語もなんです…」
「…なんだと?では俺はもう知らん」
「嫌だ!煉獄先生!」
「自業自得だな。長期休みは君もさぞかし忙しくなることだろう」
「うぅ」
「よって隣町の祭りに出向く件は中止」
「は…?は!?」
「俺も最近君を甘やかし過ぎていたな、反省している。やる事をやらない人間とはどこへも行けない」
「まっ、待って煉獄先生!」
「名字、君と会えないのは辛いが、仕方ない。き、み、が、悪いのだからな」
「分かった!わかりました!絶対に補修まじめに受けるしもう赤点取りません!」
「駄目だ。赤点だけは回避しろと俺が何度君に言ったか、覚えているか?」
「覚えてます!」
「嘘をつけ。とにかくダメだ。祭りは千寿郎と行く」
「やだーっ!これ以上私の気持ちをどん底に落とさないで下さいよ!」
「次顔を見るのは休み明けだな。では」
「ヤーーーッ!!!」

私の声が、わたしだけのこえが、無人の廊下にこだました。先生の足音は無慈悲に遠ざかって消えていった。私は廊下に仰向けになり、全身の力を限りなく抜いたまま泣いた。高校二年の夏休みは終わったと言っていい。胸ポケットで携帯がメール受信の振動を知らせたがそんなことどうでも良かった。背中に冷たい床を感じている。涙が顔のおうとつをゆっくりと進んで耳の中へ落ちていった。




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