アカザ先輩からメッセージが届いた為に携帯が振動した。授業中に連絡を寄越すなんて迷惑な先輩だなと思った。そういう私も、ノートの下にそれをうまく隠して畑を耕すゲームに勤しんでいたのだが。

「えっ」

「素晴らしい筋肉」という短文と一緒に先輩から送られてきた画像に私は絶句した。画質が幾分か荒いものの、写っているのはだいぶ俯瞰の角度から撮られた煉獄先生だ。一体どういうことなのだろう。先生は水着姿である。薄いパーカーを着込んでいるがそれはいつか脱がれるだろうという予感があった。先輩のメッセージから推測するにもう脱いでいるかもしれない。先生の足元の端に写っているビート板。プールだ。上から撮っているというならば場所は屋上である!

「せんせい、お腹痛いので保健室行ってきます」

私は手を上げ自ら席を立った。時は一刻を争っているのだ。教室を出る際、扉に一番近い席の友達、村田が心配の声を掛けてきたので、教壇の先生に見つからない上手い角度で例の画像が開かれた携帯の画面を見せた。村田はすべてを察し、それから何も見ていないといったふうに視線を黒板へ流して私を無視した。教室を出る。私はぴたぴたと廊下に張り付く上履きの底の音がなるべく小さくなるよう努めて歩いた。どうして歴史教師の煉獄先生が水泳の授業に参加しているのかは定かではないし、なぜそれをアカザ先輩が知っているのかはもっと分からない。彼とは是非ずっと友達でいたい。屋上へ続く階段を一段上がった。先生の水着姿はもうすぐそこだ。



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