今日治くんとユニバに来たのは紛れもなくデート
しかも初めてのデート
たまたま治くんが部活が休みだったのと、私と付き合って一ヶ月経ったのにどこも行けてないからという理由で治くんが誘ってくれた
せっかくのお休みなのに私とデートしてくれるんだから治くんは優しい
それに変にショッピングとかよりも遊園地の方が会話が続くからこっちにしてくれたんだろう
さり気ない配慮がどれも私の事を考えてくれてるのが伝わってきて本当に嬉しい
「琴葉ちゃん次あれ乗ろや!」
「うん!…と、その前にお手洗い寄ってもいい?」
「結構並びそうやもんな、俺も行っとこ」
次のアトラクションは一番人気のジェットコースター
後ろ向きに進むというのが人気を呼んでるおかげで待ち時間は一時間はかかる
それに待ち列から抜けてトイレに行ってる間治くんを一人にする訳にもいかないので事前に来たわけです
「(化粧直してたら少し時間かかっちゃった…治くん待ってるかな?)」
トイレから出て、治くんを探していると可愛い女の子二人に絡まれてる彼がいた
「あの、写真撮ってもいいですか?」
「え、俺?」
「てゆーか、一緒に回りません?」
「いや、彼女と来てるしええわ」
あんな可愛い子を一蹴するなんて治くん凄すぎる、そして出ていきづらい!!
どうしようかな、とトイレの入口でオロオロしてると、治くんがこちらに気がついたみたいで顔を明るくさせた
「琴葉ちゃん」
「お、お待たせ」
「ほないこか」
女の子達を放置して私の手を引く治くん
今朝は勢い余って手を握っちゃったけど、改めて繋ぐと恥ずかしい
それに
「(治くん…手大きい)」
明らかに自分のとは違う大きさ、少しゴツゴツした感じも含めて治くんが男の子だと実感する
「ん?どないしたん?」
「あっ、いや、その」
キョトンとしてる治くんに見つめられて、誤魔化しきれそうになかったので、観念して正直に言うことにした
「治くんて男の子なんだなーって」
「どういう事?」
「なんだか頼もしく見える」
「ははっ、何やそれ」
私の言ったことが可笑しかったのか、楽しそうに微笑む治くんに私もつられて笑ってしまう
治くんといると不思議と落ち着くのはなんでだろう、その答えが知りたくて治くんと繋がるその手をキュッと握り直した
少し治くんがビクッとしたのは気のせいかな?
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