84


「あー、つっかれた!」

「疲れたなあ、はいタオル」


あかりにタオルを渡せば周りにいたあかりファンに羨ましい!という顔で見られる
今日は稲荷崎恒例の球技大会
女子はバスケ、バレー、テニス、卓球
男子はバスケ、サッカー、野球、卓球から選んで好きな種目に出場できる

ちなみに複数種目に出ることも可能で、最低でも一人一回は出場する必要があるとのこと
あとは自分の所属する部活種目には出れないルールもある
ちなみに私とあかりはバスケに出場してる
あかりは他にもテニスに出るらしいけど私は一種目が限界かなと自制した


「あ、倫太郎」

「銀島もおるやん」


隣のコートで試合中の倫太郎は抜群の体幹で活躍してるみたい
運動神経の良い銀がしっかり食らいついていて白熱してる様子

確か侑と治はサッカーやってるはずや
なんでも「ウイイレで鍛えてるから大丈夫」とのこと、意味が分からん


「次の試合まで時間あるしサッカー見に行こや」

「あー、そういえば双子はサッカーやったなあ…ええよ、行こか」


あかりと共にグラウンドへ向かえば、そこには大量の女子達
なんやこれ、アイドルの出待ちか何か?


「キャー!宮先輩!」

「侑くーん」

「治ー、手振って〜!」

「宮ツインズ頑張れー!」


キャーキャー言うてる女の子達にあかりと二人で顔をひきつらせた
日に日にファン増えてる気がするんやけど

ちょうど治がシュートを決めたらしく、ワッと盛り上がる集団


「くっそー!今のナシやろ!」

「アリや、負け犬の遠吠えか」

「あぁ!?もっぺん言うてみい!」

「叫ぶ前に足動かせや!」


会話のレベルは低いのにこんだけファン作るんやからあの二人は凄いんかもしれん
あかりは「運動神経ええから腹立つなあ」と二人に毒を吐いている
そういうあかりもかなり運動神経ええ
私は普通よりはええと思うけど特別ええわけでもない位や


「みんな凄いから鼻が高いわあ」

「保護者かいな」


ケラケラ笑うあかりに笑い返して体育館へ戻ろうとグラウンドを後にした





−−−−
−−−




「いくで!スーパー侑シュート!」

「ダサすぎやろ!」

「しかも外れとる!」


全然決まらへんシュートに苛立ちが募る
はよ体育館行って涼香のバスケの応援に行きたいのに…そういえば今日ポニーテールやったなあ
うなじがチラリズムしとって萌えたわ


「侑お前なににやけとんねん!」

「喧しい!はよ終わらせるで!」

「(アホツム)」

prev next




- ナノ -