ベッドに腰掛けると、深亜は膝を立て足の小指に触れている。
千歳はもたれていたベッドから背を離し、「どげんしたと?」と同じく彼女の小指に視線を注ぐ。
「ん……ちょっと、靴擦れ」
おろしたばっかだったから、と深亜は言う。
見れば、皮がめくれるほど酷い状態ではないが、皮膚が不自然に赤い部分がある。
千歳は深亜の足を捕らえた。
風呂上がりだというのに、爪先はもう冷たくなっている。
「ちっさか足たい」
「そりゃあ、千里に比べたらね」
ふっ、と深亜が息をつく。「絆創膏貼っといた方がいいかな……」その呟きが聞こえたのか、聞こえなかったのか。
千歳は深亜の見ている前で小指に顔を寄せ、ちゅっ、と吸いついた。
「っ!?」
驚きに逃れようとした足を強く掴み、舌先で皮膚をなぞる。
深亜はシーツを握り締めた。
「やっ……な、にして」
「ん〜、消毒?」
「ぁ、やめっ、千里っ」
深亜の様子を上目に見やり。
千歳はなんでもない顔で宣う。
「足の指も性感帯てったい」
「なっ、!」
ぽすりと、すべてがシーツに沈む。
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