その声に深亜はゆっくりと目を開ける。
「会長……火薬、多すぎです」
「あ〜ん? あれくらいの方が盛り上がるだろうよ」
「部下の身体も顧みてくださいよ……」
「安藤さん、大丈夫?」
覗き込む芥川が手を差し出すので、深亜は素直にその手を掴んだ。
背を押す跡部に「ありがとうございます」と軽く頭を下げ、立ち上がった深亜は改めて自分の惨状を目の当たりにする。
「思った以上にスプラッタ……」
「安藤さんが撃たれた時、超ビビったCー。マジ映画みてえ」
「その“映画”を撮ってるんだよ」
「――滝」
「はい。これで安藤も死人組に仲間入りだな」
「……嫌な組名」
滝曰くの死人組に、一昨日仲間入りしている当人から、深亜はタオルを受け取る。
「早くお風呂入りたい」
「まあ、これで安藤の出番も終わったし、思う存分のんびりできるんじゃないか?」
「滝も安藤さんもズルいCー。俺この後セリフ合わせなのにーっ」
「生き残ってるんだから当然でしょ」
「ははっ、頑張れ」
「ふたり共ひっでー!」
「おい、そこの三人」
とっとと戻るぞ、と監督に呼ばれ、三者三様に返事をしながら、三人並んで歩いていく。
跡部監督のバトロワ。
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