流れ落ちた涙が、真っ白なシーツに染みを作る。
いやいやと、次々あふれだす涙を散らしながら深亜は首を振る。
「わたしなんかが、生きてていいわけない……っ」
「深亜……」
「……怖い、の」
目を伏せた深亜の眦を、涙が伝う。
「いつか、わたしがわたしじゃなくなる時が来るかもしれないって……そんなの、耐えられるわけ……っ」
「俺がずっと傍んおるよ」
はっと、深亜が目を開く。
「俺が深亜ん傍にずっとおるけん……“そん時”が来たら、俺が“深亜”ば守る……だけん」
「生きても、いいの……?」
深亜は茫然と呟いた。
「わたし……いずれ君のことを忘れて、君を殺すかもしれないのに?」
「よかよ。そん時は止めたるけん」
「わたしじゃ、なくなってしまうかもしれないのに……? なにもかも忘れて、ただの化物に」
「深亜」
冷えた深亜の目もとを拭う指の温度に、深亜の心が震える。
「深亜は、ほんとはどうしたかと?」
「……生きたい、の」
ふたたび涙をあふれさせながらも、深亜は真っ直ぐ千歳を見つめる。
「君と共に、生きたい」
『君と共に生きたい』
引用元:I love you.訳したー※
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