(当たり前の日常)


どうも。
僕は黒子テツヤと言います。
我ら帝光中学校男子バスケ部には、キセキの世代と言われている天才たちがいます。
彼らは僕から見て少し一般の生徒と比べると変です。
そんな彼らでも、呆れるほどの人がいます。
…いや、"人たち"ですね。
バスケ部公認のカップルは今日もいつも通り、練習中にも関わらずいちゃいちゃしています。

「なまえ。タオル取ってくれないか?」
『汗拭いてあげる!』
「あぁ。ありがとう」
『ドリンクは?』
「口移しでもらおうかな」
『えぇ!?』
「冗談だよ。なまえのそんな可愛い顔を他のやつらに見せたくないしね」
『もうバカっ!』
「本当になまえは可愛いな」
『それを言うなら赤司くんだって!』
「男に可愛いと?」
『んー、赤司くんはどっちかと言うと綺麗って感じ?』
「それは褒めているのか?」
『褒めてるよ!赤司くんは女子顔負けってぐらい綺麗な顔してるもん』
「そうか。なまえが言うんだから間違いないんだろうな」
『誰だってそう思ってるよ!』

いつまで続くんでしょうか…。
もう日常すぎて何も言えません。
隣にいる青峰くんも黄瀬くんも何も言いません。
それどころか、きっと彼らは風の音などと同じようなものだとしか思っていないでしょう。
紫原くんも何も気にせずお菓子を食べていますし、緑間くんもテーピングを巻き直しています。
もう引退していないですが、虹村主将も2人に関してはもう何も言わなくなりました。
それほどまでに彼らはどこでも場所を考えることもなくいちゃいちゃとします。
ですが、彼らはいちゃついているという感覚はないらしいです。
ある日、黄瀬くんが彼らに聞いたときの話です。


「どうして赤司っちとみょうじっちはそんなにみんなの前でもいちゃいちゃできるんスか?」
『え?』
「は?」

ずっと気になっていたことを2人に聞くと、何を言っているんだこいつは。
という反応をされた。
1軍に上がってきたときにはもうすでに2人は今の状態だった。
なんでも、小学校からの付き合いだとか…。

「いちゃいちゃとは、どういうことだ?」
「いや!それがいちゃいちゃしてるって言うんスよ!」
『これが?』

今はお昼休憩中。
2人は一緒に座っている。
そう、一緒に。

「なんで赤司っちの上に座ってるんスか!?」
『えー?普通じゃないの?』
「何かおかしいのか?」

この人たち普通じゃない…。

「青峰っち〜…」
「諦めろ。入部したときからすでにこれだった」
『何かおかしいのー?青峰くんだって、さつきちゃんとお昼寝してたりするじゃん』
「あれはさつきが勝手にオレの上で寝てるだけだっつーの」
『ふ〜ん…?』
「黄瀬。2人に関してはもう諦めたほうがいいのだよ」
「緑間っちまで…!」
「むしろ、気にしてたほうが時間の無駄だしー」
「紫原の言うとおりだぜ、黄瀬」
「そうですよ黄瀬くん。慣れてしまえばなんてことはありません」
「くく、黒子っち!!いつからそこにいたんスか!!?」
「初めからいました…」

オレたちがそんな話をしている間にも彼らは堂々といちゃいちゃしていた。

『あ。赤司くん。これ食べる?』
「いいのか?」
『うん。どうぞ』
「いただくよ」

みょうじっちが自分のお箸でつかんだものを赤司っちの口にもっていく。
要するにあ〜ん、ということだ。

「やはりなまえの手料理はうまいな」
『そう?いつでもお嫁さんになれる?』
「心配するな。オレがお嫁さんにしてやるさ」
『本当?』
「あぁ。だからずっと側にいればいい」
『うん。約束ね』
「もちろんだ」

あぁ…。
オレも早く青峰っちたちみたいに、この場に慣れたい。
そう強く思った日なのだった…。


end

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