(彼らの日常)


テスト期間は学生にとっては憂鬱な期間である。
厳しくも楽しい部活がなくなってしまう。
それは帝光中学男子バスケット部も例外ではない。
レギュラーの赤点を防ぐべく開かれたキセキの世代である6人とマネージャーである私とさつきちゃんを含めての勉強会を、いつもならハードな練習をこなしている放課後にやっていた。

『英語の範囲ってどこだっけ?』
「ページでいうと49から63なのだよ」
『え、そんなにあったっけ?』
「あぁ」
『それならとりあえず長文からやろうかな』

わりと勉強できる方、と言っても上の下ぐらいだが…。
そんな私はいつも緑間くんに教えてもらっている。
説明もうまく、わかりやすいからだ。
え?
赤司くんのほうがいいって?
まぁ確かに学年トップだし、教え方もうまい。
けど、赤司くんには他の問題児が約2名いらっしゃる。
はっきり言ってそんな問題児を抱えている赤司くんに頼るのは少し気が引ける。
もう想像済みだろうが、その2人はと言うと…。

「あー!こんなのやってられっかよ!」
 「ちょっ!青峰っち!ズルイっスよ!」
「2人とも真面目にやれ。紫原用意はできてるか?」
「んー?いつでもいいよー?」

そういう彼の手には巨大なハリセン。

「赤司くん。そろそろ僕のイグナイトでいってもいいと思います」
「テツ!それはマジでやめろ!死ぬっ!」
「桃井。青峰から写真集を盗れ」
「はーい」
「ちょ!なにすんだよ、さつき!」

私の隣から、紫原くん、青峰くん、赤司くん。
正面には緑間くん。
その隣から黒子くん、黄瀬くん、さつきちゃん。
と、言った形だ。
ずっと隣に座っているのに、この空気の差は一体なんなのか…。
私と緑間くんを平和国と例えるなら、彼らは戦争中のようだ。

「少しは黙って勉強するのだよ、青峰」
『まぁまぁ、これが私達らしくない?』
「フンッ」

彼らといる時間は本当に楽しい。
すぐに時間が流れてしまう。

「もうギブっ!」
「オレもっス…」
『2人とも早いね…』
「んな、じっと勉強なんてしてられっかよ!」 
『だったらバスケしながら勉強とか…?』
「バカなことを言うな。それでは奴らは勉強になるわけがないのだよ」
『確かに』
「おい!納得すんなよ!」
「そーっスよ!体動かした方が効率がいいっスよ!絶対!」
「一人前みたく効率など言うものではないのだよ、黄瀬」
『うん。とりあえず2人とも。…黙ろうか』
「マジきちーわ。勉強してる時のみょうじはマジできちー…」
「いつも以上に言葉がキツイっス!」
『気のせいじゃない?ね、黒子くん』
「そうですね。これでこそみょうじさんです」
『ほら。とりあえずさ紫原くんのハリセン喰らっときなよ』
「それはマジ冗談キツイっスよ!!」
『紫原くん』
「えー…めんどー…」
『まいう棒10本で』
「やる」
「そこ乗らないで、紫原っち!やる気出すとこ違うっス!!」
「とりあえず喰らってよー、黄瀬ちん」
「イヤっスよ!ってか、なんでそんなにやる気マンマンなんスか!?」
「まいう棒10本…」
「そこっスか!?」
「ハッ。ざまーみろ黄瀬!」
「紫原。10本追加する。だから青峰にもするのだよ」
「おっけー。峰ちんにはいつもの倍の力込めてやってあげる」
「お前らオレになんか恨みでもあんのかよ!」
「んー?別にー?」
「青峰くん。黙って喰らっておいた方が身のためです」
「どっちにしろ身に危険しか及ばねーよ!!」
「殺れ、紫原」
『とりあえず逝ってらっしゃい。青峰くんと黄瀬くん』
「字がおかしいっス!2人とも!」
「おかしいだろ?!」
「じゃあ、2人ともいくよー」
「「ちょっと待っ…!!」」

−バシンッッ!!

と言う音が2発。
それと共にノックアウトした2名。

「あれ、やりすぎたー?」
『殺っちゃったね』
「字が違うのだよ…」
『じゃあ逝っちゃった…?』
「…あながち間違いではないな」
「まいう棒」
『帰りのコンビニでいい?』
「うん」
「よし、今のうちに堀北マイちゃんの写真集をゲット!」
「桃井。それはオレが預かっておこう」

今日も帝光中学男子バスケット部レギュラーは平和でした。
おわり♪


end

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