(私の恋が叶うまで…。)
高校3年生。
人生最大の壁。
大学受験。
今、私はそれにぶつかっている。
大学の公募推薦に落ちて、必死に勉強している。
学力はできるわけでもなく、できないわけでもない。
でも、どうしても受かりたい大学がある。
その訳が…。
「集中」
『わかってます!』
隣にいる1つ上の赤司征十郎。
私の家のお隣さんで小学生のときから、よくお世話になっている。
勉強、スポーツともによくできておまけに格好いいからすごくモテる。
……無愛想だけど。
高校は地元の学校に行ったので追っかけで同じ学校に私も行った。
はっきり言って小学生の頃から征くんのことが好き。
だから大学も同じとこに行きたい。
そんなことも知らずに征くんは大学の課題を黙々としてる。
そんな征くんが突然、口を開いた。
「…そう言えば……」
『何?』
「なまえはどこに行きたいの」
『何がですか?』
「何がって、大学のことに決まってるでしょ」
『あー…』
「………」
『征くんはどこだと思います?』
「地元?」
『そうかも…?』
「…………」
『な、なんですか…?』
適当に返事をしたら征くんはじーっと私の顔を見た。
不思議に思って問いかけてみたら、また黙々と課題をやり始めた。
私はあまり気にせずに勉強を再開した。
「……僕と同じ大学だと嬉しいんだけどね」
『何か言いました?』
「…別に何もないよ」
『えー。気になりますー…』
「何でもないよ。ちゃんと勉強して」
『気になって集中できないー!!』
「………」
『征くーん…』
「なまえ…」
『だってー!』
「同じ大学だといいなと思っただけだよ。分かったら早く勉強を再開する」
『えっ…』
征くんの方を見ると少し耳が赤くなってた。
神様。
私の恋が叶うのに時間はかかるでしょうか?
end
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