目を開ける。
いつの間にか六合にもたれ掛かって寝てしまっていたようだ。
「…夢、見たよ。」
ぽつりと呟く。
「怖かったのか。」
「ううん。すごく幸せだった。」
「……。」
「六合と私がずっと一緒に居るの。」
「……。」
「それでね、市に行ったり花見をしたり…。」
「…月見をしたり、か?」
「そう!日差しが暖かくて、穏やかで、」
「優しかった。」
「なんで分かったの!?そうなの!とっても優しかった!」
そう笑うと同時に、背中にあった温もりが消える。
ふわり。大好きな匂いに包まれた。
「…それはきっと、正夢だ。」
低く掠れた、甘い声が耳朶を打つ。
ああ、
「そうだったら、嬉しいなあ…。」
体を反転させて大きな背中に腕を回す。
「たとえ違ったとしても、正夢にしてみせよう。」
甘い甘い口付けと共に落とされた言葉に微笑む。
期待してます。という返事は呑み込んで、返した口付けと一緒に届けた。
ゆるゆると真綿で絞めるように
(大好き)
(永久に君の傍らに)