「もう桜の蕾が芽吹いていたぞ。」
騰蛇からの情報に、わたしはいいことを思いついたような気がしたけど思いつきませんでした。
「んー。せっかくもうすぐ桜の季節がやってくるのに、何もしないのはなんか負けた気がする。」
「そうか?」
「そうだよー。年に一回短い間しか咲かないのに何もしないのは失礼でしょう!」
「なにかいい案があるのか?」
「ない。」
「……。」
「こうなったら騰蛇に花見に連れて行ってもらうしかないかな。」
「なんでそうなるんだ。」
「君ならやれる!」
「…お前がおせちを作るならいいぞ?」
「えー。」
「そこ嫌がるか。」
「んー。大事な大事な花見のためだ、作ろう…っおわ!?」
「もっと色気のある声は出せないのか。」
「悪かったね!いきなり横抱きにされて反射的に出たんだよ!」
「いくぞ。」
「人の話聞いてる!?どこに!?花見に!?まだ咲いてな…っむぎゅ!」
「喋ると舌噛むぞ。」
「もう噛んだ!いきなり屋根のうえに跳ばないで!」
「近くに大きな桜の木が一本だけある場所がある。」
「謝罪の言葉はなしかこのやろう。」
「毎日行こう。」
「え!?そんな時間ないでしょう!?」
「大丈夫だ。」
「……っ!」
あんまり嬉しそうな笑顔で言うから思わずときめいちゃったじゃない!
日課にしましょう
(…桜が満開になるまでは付き合ってあげる)
(最後は咲夜の手料理で花見だな)
(二人だけで?)
(当たり前だ)