赤は君の色
赤弓夢、幼馴染み設定。赤弓視点。
赤弓の赤は何処から来たのか話。
*赤い色は君の色*
「アーチャーさんの赤はやっばり凛ちゃんの赤なんですか?」
唐突にそんな事を問われ、咄嗟に出た返事が「何故そうだと思ったんだね?」だ、我ながら何の捻りも無い返答だと思う。
「いえ、何となく主従関係ですし、凛ちゃんもアーチャーさんも赤同士ですから、そうなのかなー?って…」
チラリと私の顔を見ながら言う名前は、期待の色が見て取れる。多分己の名推理を予想しての事だろう。
だが、残念、君の予想は外れだよ名前
「いや、赤は…私の赤は君の色だよ名前」
「へ……??」
己の推理が外れ、しかも帰って来た返答は大きく逸れて己の名…それは混乱する筈だ。
「え、は?ちょっと待って下さい?!私、赤色なんてそんなに毎日毎日着てないですよ!アーチャーさん!!」
「ああ、そうだね、だが、私の赤は君からの赤なんだ」
「そ、そんなの答えになってませんって!!」
正確には凛…にも少なからず影響を受けての色だろう。だがしかし、それでも私の記憶の中にある赤の思い出は君の色なんだ名前…
「いや、期待を裏切る様で悪いが、それでもコレが事実なんだ…そう拗ねないでくれ」
「べ、別に拗ねてません!それに大体意味が分かりません!だって私はーーー」
「『シロウは絶対赤が似合うよ』」
「……っ!!?」
「『私の中でシロウの色は絶対赤』」
「…ぁ……なん、で…っ」
「『だって赤は【正義の味方】の色だもん』そう君はあの時言ってくれたね?」
「なんで、アーチャーさんがそれを知ってるんですか…っ」
「さあ、どうしてだろうな、名前?」
「は、はぐらかさないで下さい!!」
「フッ…」
それは幼い記憶で、小さな小さな何処にでも転がっている様な話かも知れない。
それでも、
『ーーー赤は【正義の味方】の色だから、きっとシロウに似合うんだ』
君がそう言ってくれたから、今の私はあるんだと思いたい。
戸惑う君を引き寄せて、抱き締めて、キスをする。
「っ!!?あ、アーチャーさん…っ」
「ほらね、赤くなった…だから赤は君の色なんだ」
「っ?!か、からかってるんですか!!」
「そう言うわけではないのだが、君を見ているとどうも抑えが利かなくかりそうでね…」
「ふ、ふざけないで下さい!!」
「ふざけていない、余りにも君がーーー」
『ーーー可愛すぎるから…』
そう耳元で囁けば一層赤くなって「もう知らない!」「離せ、帰るっ!」と暴れ出す君についまた笑ってしまったのだった。
アーチャーの赤い色は幼い頃に夢主に言われた一言が要因だったら良いなという思いを込めました。
きっと本当は凛ちゃんやその他諸々何でしょうが……そこはフィクションです。夢の話なんで勝手に脚色しちゃいました(笑)
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