来世でも君を愛する


 



ダルい…

動きたくない……


「      !!!?」


誰?

僕の名前を呼ぶのは…?


名を呼ばれて、その呼んだ相手を見たくて体を起こそうとした。
だけど、体が言うことき聴かなかった。


……また、叱られるかな?


少し前、起きるのが面倒くさくて、億劫で起きず目も開けなかったら、物凄く彼女に叱られた。

あの時は謝ったら許してくれたけど、今回はどうだろうか…?
許して、くれるだろうか…?

彼女は優しくてとてもとても心配性だから、早く目だけでも開けてあげたいのに――・・・


ああ………でも、ごめん。

今回は、起きられそうにないや・・・・・


彼女の顔を見て、その柔らかい頬を撫でて安心させてあげたいのに…、それも叶わない。


ごめんな…、今は、

ただ、ただ、物凄く眠いんだ・・・・。


彼女に触れたくて宙に浮かした掌は、ナニも掴めはしなかった――・・・

ただただ宙を彷徨うだけーー・・・

そして、何処からか彼女の泣き声が聞こえる


ーーーーやめてくれ。
僕のせいで君の可愛い顔を曇らさないでくれ……


伸ばした掌に温もりを感じた。


嗚呼…、やっと、君に触れられた……


手の甲に彼女が頬をつける。
すると、そこに暖かいナニかを感じた。


涙…?


彼女は泣いていた、涙を流して泣いていた。


泣かないで、愛しい人…

僕はもう、

君の涙を拭ってあげられないから――・・・・



僕はそのまま息を引き取った。


ふふっ…。
愛する君に見守られながら逝くのも、悪くはない。


僕は、一足先に向こうに行ってるから、

君はゆっくりでいい、ゆっくりおいで。

愛ほしい君――・・・

来世でも、また君に出逢えるかな?


そしたら僕はまた君にこう言おう。


「君を愛している」と――・・・


来世でも僕はまた君を愛す……


‐ end ‐
 

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