望み
▽原作ネタバレ注意。
将臣くん・・・、
私達、何時からこんな風になっちゃったんだろうね…?
あんなに近かった存在のはずなのに……
今では―――――・・・・
「将臣くん!」
「んー?何だ望美?」
「ふふ…何でもないよー!」
「なんだそりゃ、変なヤツだな…」
「おはよ将臣くん!」
「おう、はよ望美」
「相変わらず眠そうだね〜」
「まあなあー」
「あ、ほら、寝癖ついてる!」
「ん?どこだ??」
「将臣くん!」
「将臣くん」
「将臣くん…」
「まーさーおーみーくん!」
「将臣くん?」
「将臣くん!!」
また三人でご飯食べたり、馬鹿やったり、勉強したり、遊んだり、そんな普通で当たり前の事でまた三人で笑って逢えると信じて、願って、
望んで、いたのに―――
「還内府っ!覚悟…っ!!!」
「……っ!?その…声は……っ!!!」
「―――え・・・・?」
―――ガキンンンッ!!!
嗚呼、神様…
どうか、どうか嘘と言って下さい。
私の幼馴染みが、私の最愛の人が―――・・・
―――【敵‐還内府‐】であると言う事を、
「将、臣…くん……?」
「望…美……っ」
どう、して…?
どうして貴方が【敵‐還内府‐】なの――
嗚呼、真実は…、
現実はこんなにも、こんなにも残酷で…
「将臣…くん、どう…して……っ」
「……っ望…美っ!!」
気付いてしまったらもう、戻れない。
それが真実だから……
目を逸らす事等、許されない。
受け入れなければならないモノ・・・・
それが現実で、それこそが【悪夢】だ。
また二人で笑って逢えると、
信じて、願っていたのに―――・・・・
「将…臣…くんが……っ」
「お前が……っ」
自然と頬を涙が伝う。
それは私の想いを表している様で……
「還…内府……っ」
「源氏の…神子…っ」
夕闇に沈むあの教室で、また逢えたなら……
「どうして……っ」
私はどんな顔で貴方に逢えばいいの…?
貴方はまた、いつもの笑顔で笑ってくれるのかな?
私の大好きで、大切な、幼馴染み……
「将臣くん…っ」
会いたいと願えば叶うと思ってた。
‐end‐
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