好きになってはいけない人
行きつけのバーのママ×傷心中のOL
※オネエ注意
*好きになってはいけない人*
「マァマァ〜〜〜」
「も〜来て早々何よ〜?あーお化粧が涙でグチャグチャ…、今度はどうしちゃったて言うのよ〜??」
「聞いてよママ!私、またフラれちゃったあぁぁぁ〜」
「ウッソ!?あんたまたフラれたの!!もーこれで何度目ェ〜」
「だって、だって、だってぇ〜」
「はいはい、聞いてあげるから、ゆっくり話しなさい」
- - - - - -
「なにそれ、最低…」
「でしょでしょ!私が1番とか言いながら他の子と浮気するなんて、最低よね!!それで捨て台詞が『お前の他に好きな子が出来たんだ』って言う典型的な振り文句だなんて本っ当信じらんない!!!」
「あんたも良くそんな男と付き合う気になれたわね〜?最初から気付かなかったの?他に女の影があるって」
「……全然気付かなかった私も悪いんだろうけどさ、最初はね、それなりに優しかったんだよ?気遣いだってしてくれたし、仕事も出来る、イケメン、こんな素敵な人は居ないなーって思える人だったの…」
「でも結果的にされちゃったんでしょ?浮気」
「……うん」
「その男も見る目ないわねぇ〜」
「…そう思ってくれる?」
「そうよ!私が男だったら、貴女みたいな可愛い子ほっとかないもの…!」
「ーーーえ」
不意に伸ばされたママの手に私は動く事が出来なかった。
「本当に、バカな男…」
頬に触れたママの手が、
「私だったら一生離さないのに…」
ママのちょっとだけ掠れ気味の声が、
「勿体無い」
向けられる視線が、
「マ、マ…?」
どうしようもないくらいに、この人を“男性”だと感じさせられた。
「ーーーなーんちゃって!驚いた?」
「お、驚いたって!?そ、そりゃあ、いきなりあんな事されたら誰だって驚くよ!!もーママの意地悪!!」
「あっはははは、ごめんね〜少しでもあんたを元気付けたかったんだけどねー、やっぱ私じゃダメねー」
「……ううん、ありがとママ、元気、ちょっとだけ出た!」
「本当?なら、良かったわ!」
目の前で『うふふ』と可愛らしく笑う彼(彼女)に、ドキドキと胸が高鳴ったのは言うまでも無い。
ごめんなさい。
私じゃあ、きっと、
あなたの“一番”には到底なれないから、
だから、
私はあなたの“良き理解者”を目指すの……
*好きになってはいけない人- end -*
その人は、きっと、貴女にとって大切な人…
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バーのママ(♂)×OL(♀)のカプで、OLちゃんはママが【ゲイ(男性が好き)】と思ってて『自分の事は守備範囲外なんだ』って思ってるけど実はママは【バイ(両方いける)】で、ママはOLちゃんが『自分なんか相手にしてくれない』って思ってるから互いが互いに両方想いなのに、相手に自分の想いを口に出来ないって言うネコ的に美味しい状況。
オネエでも女性が好きなら有りって言うネコの趣味を詰め込んだ話でした。
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