タイムリミット 郭嘉視点
〜郭嘉視点〜
彼女の背中を見送った直ぐ後、激しい胸の痛みと嘔吐感に襲われ、ガクリッとその場に片膝をついてしまった。
「ッゴホッゴホッ…ぐっ、ゲホッ…はぁ…っ」
吐き出された血を見詰め、グチャリッと握り潰しながら、己に残されたタイムリミットを考える。
後何度、君に触れる事が出来るだろう
後何度、君と話しが出来るだろう
後何度、君と戯れる事が出来るだろう
許しておくれ愛しき人、もう僕にはあまり時間が残されていないから、君に“僕”と言う存在を残す事は出来ないんだ。
許しておくれ、愛する人…
もう少しだけ、後少しだけ、
この戯れだけの関係を許しておくれ…
「ーーー名前…」
瞼の裏に焼き付いた幻の君に、僕は口付けた。
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郭嘉 夢でした。
“軽薄な態度の裏に隠された切実さ”を意識して書きました。少しでも彼らしい話になってたら良いなと思います。
全く関係ない話ですが、郭嘉殿のキャラソンをまだ聞いてない方は是非聞いた方が良いと思います!
甘く切ない中にも、彼の、彼なりの決意や思念が込められて降り、彼のキャラソンを聞いてこの話を書きたくなったと言っても過言では有りません。